植物病原菌のVI型分泌系、病気の発生と根頭がん腫病の微生物叢に影響 台湾

台湾の中央研究院(Academia Sinica)植物・微生物学研究所(Institute of Plant and Microbial Biology)は3月23日、同院の研究チームが16S rRNA遺伝子のアンプリコンシーケンスを組み合わせた土壌接種法によって、病原性細菌のVI型分泌系(T6SS)の働きを解明したと発表した。この研究の成果は、アメリカ微生物学会(ASM)の学術誌mBioにオンライン掲載された。

TS6SSは、多くの病原性細菌が他の細菌との競合における抗菌手段として広く用いているものだが、病気の発生機序や複雑な微生物群における微生物叢の形成におけるTS6SSの拮抗作用に関する知見は限られている。

同院のアーミン・ライ(Erh-Min Lai)博士とヂーホン・グォ(Chih-Horng Kuo)博士が率いる研究チームは、16S rRNA遺伝子のアンプリコンシーケンスを最適化して、植物病原菌アグロバクテリアの自然感染を模した土壌接種法と組み合わせることにより、T6SSが病気の発生を促進し、根頭がん腫病の微生物叢の構成に影響する証拠を提示した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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