窒素フラックスにおける光呼吸の新たな役割を発見 台湾

台湾の中央研究院(Academia Sinica)は4月24日、同院の研究者が、窒素フラックスにおいて光呼吸が果たす新たな役割を発見したと発表した。この研究成果は、Nature Plants誌に掲載された。

窒素と炭素は植物にとって最も重要な要素であり、植物の成長を最大化するためにはこの2つのバランスを保つ必要がある。植物がどのように炭素と窒素の含有量のバランスを取るのか、また、窒素欠乏にどのように対処するかを理解することは、植物生物学の分野における重要な問いであり、作物の生産性向上にも重要な意味を持つ。

同院の分子生物学研究所(Institute of Molecular Biology)のイーファン・ツァイ(Yi-Fang Tsay)博士とイーチェン・リン(Yi-Chen Lin)博士は、窒素欠乏に応答して光呼吸が上方制御され、アミノ酸リモデリング(amino acid remodeling)を引き起こすことを明らかにした。

この研究により、NPF8.4が窒素欠乏時に光呼吸の炭素中間生成物(photorespiratory carbon intermediate)であるグリセリン酸塩(glycerate)を液胞に封じ込める役割を果たす輸送体であり、炭素同化を抑制することで、炭素と窒素の比率のバランスを保つのに役立つことが示された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る