台湾大学(NTU)機械工学学科(Department of Mechanical Engineering)のリーアンジャ・チェン(Liang-Chia Chen)教授が率いる学際的研究チームが、人工知能(AI)を利用した画期的な光学測定技術の開発に取り組んでいる。この技術を応用して、いくつかの革新的なOCD(Optical Critical Dimension)測定システムと技法が開発され、産業的に実証されている。
同チームは、台湾の国家科学技術委員会(NSTC)により、自動光学検査(AOI)や高精度測定、画期的な光学装置、AIアルゴリズムなどの最先端技術を統合するために設立された。NSTCはまた、NTUや陽明交通大学(NYCU)をはじめとする大学の研究チームや半導体ベンダー、AOIメーカー等で構成されるAOI装置の研究開発連合も設立した。同連合には現在、43社が加盟している。
チェン教授のチームが国内のAOI装置メーカーからの研究協力を得て開発した、AIを利用した光学測定技術は、高度なリフレクトメトリとスキャトロメトリをベースにしている。この技術を応用したシステムは、複数の臨界寸法情報をリアルタイムで測定することができ、ノンコヒーレント光源の28倍の信号対雑音比(SNR)という世界記録を達成している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部