台湾の工業技術研究院(ITRI)の電子・光電子システム研究所(Electronic and Optoelectronic System Research Laboratories)所長のシーチエ・チャン(Shih-Chieh Chang)博士が、新設された英国の科学・イノベーション・技術省(Department for Science, Innovation and Technology:DSIT)側と初の意見交換を行い、半導体分野における台湾と英国の協力強化を目指す姿勢を示した。6月17日付け発表。
(出典:ITRI)
DSITは最近、半導体産業を支援するために今後10年間で10億ポンドを投資する国家半導体戦略を発表したばかりであり、この投資によりインフラへのアクセス改善、研究開発の推進、国際協力の促進を図るとしている。
意見交換の中でチャン博士は、ITRIは半導体のサプライチェーンの強靭性を高めるために、英国との協力関係のさらなる強化を期待していると強調した。同博士はまた、半導体技術の研究開発と試作に関して豊富な専門知識を持つITRIは、必要なリソースを紹介したり、量産前の設計・パッケージング・テストに関するコンサルティングサービスを提供したりすることで、関連するパイロットラインの確立を支援できると提案した。台湾の半導体産業チェーンとつながることで、英国はグローバル市場における強靭性を高めることが可能となる。
ITRIは、2020年に英国の化合物半導体応用カタパルト(Compound Semiconductor Applications Catapult (CSA Catapult))と覚書を締結して長期的な協力パートナーシップの道を開いたほか、2021年には英国の有名半導体装置メーカーと提携関係を結ぶなど、半導体分野における英国との協力関係の強化に動いている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部