暗黒エネルギー分光装置プロジェクトが観測データを公開 台湾大の研究者ら参画

国際的な暗黒エネルギー分光装置(Dark Energy Spectroscopic Instrument:DESI)プロジェクトが、最初の200万件の観測データを公開した。6月28日付け発表。

このデータ公開にあたり、同プロジェクトに参加している台湾大学(NTU)天文物理学研究所(Graduate Institute of Astrophysics)および物理学科(Department of Physics)のティンウェン・ラン(Ting-Wen Lan)助教授と、清華大学(NTHU)のアンドリュー・クーパー(Anderew Cooper)助教授がそれぞれ率いるチームが大きな役割を果たした。

米アリゾナ州のメイヨール望遠鏡に設置されているDESIは、2025年までに4,000万以上の天体を観測し、史上最大の宇宙の3次元地図を作成することを目指している。このDESIプロジェクトには、世界70以上の研究機関から数百人の科学者・エンジニアが参加している。

2023年6月に、DESIプロジェクトは最初の約200万個の観測データを世界中の天文学者に広く公開した。このデータ公開は、DESIの優れた性能とデータの優れた品質を証明する重要なマイルストーンとなる。

この重要なマイルストーンにあたり、ラン助教授は、数十人の科学者からなるチームを率いて、膨大な分光測定値を自らの目で調べ、DESIの銀河スペクトルが基準を満たしていることを確認する作業を担当した。また、クーパー助教授は、DESI調査の主要な部分である銀河系内の恒星の観測調査に従事する30人以上の天文学者のチームの共同リーダーを務めた。

両助教授は、台湾の研究機関がDESIのような大規模な国際プロジェクトに参加できることは光栄とし、「今日の天文学には、協力とチームワークが重要だ。このような開放性は、台湾に多くの機会があることを意味する」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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