脱穀ハトムギの摂取で高血圧の抑制に効果 台湾

台湾師範大学(NTNU)は1月26日、同大学の研究チームが、脱穀ハトムギを毎日摂取することが血圧コントロールに有益であることを確認したと発表した。この研究成果は、Nutrientsに掲載された。

台湾の地元の作物である脱穀ハトムギは、精製されていない全粒の穀物であり、精製ハトムギに比べて食物繊維、ミネラル、ビタミンを豊富に含む。最近の研究では、フェノール化合物を豊富に含むハトムギが、生体内の脂質代謝や炎症反応に有益な効果をもたらすことが報告されている。

栄養科学学科学士・大学院プログラム(Undergraduate and Graduate Programs of Nutrition Science)のワンジュ・イエ(Wan-Ju Yeh)助教授率いる研究チームは、脱穀ハトムギの血圧コントロール効果を明らかにするため、動物試験とヒト試験の両方を実施した。

まず、自然発生高血圧ラットに12%と24%のハトムギ粉末を12週間にわたって与えたところ、ハトムギ摂取群は非摂取群に比べて収縮期血圧が低下した。さらに、エンドセリン-1(ET-1)のレベルも、摂取群の方が有意に低いことが判明した。

動物実験で良好な結果が得られたことから、23人の過体重・肥満の被験者に6週間の実験期間中、毎日60gの脱穀ハトムギを摂取させたところ、収縮期血圧(上の血圧)の有意な低下が観察された。特に、ベースラインの収縮期血圧が高い参加者では、一層顕著な変化が見られた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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