アジア太平洋経済協力(APEC)は4月4日、女性の健康と経済参加の関連性に関する革新的な研究を募集する2024年APECヘルシーウーマン、ヘルシーエコノミー研究賞(APEC Healthy Women, Healthy Economies Research Prize)の応募受付を開始したことを発表した。
この賞は、政策立案者、ビジネスリーダー、その他の利害関係者が、女性の完全な経済参加を促進する政策を策定することを可能にする研究を表彰するもので、APEC加盟経済圏内における性差のないデータの作成やジェンダーに基づく研究を奨励することを目的とし、2019年に発足し、メルク社の支援を受けている。応募の締切りは2024年5月17日だ。
APECの女性と経済に関する政策パートナーシップの議長であるシャンテル・ストラットフォードPSM (Chantelle Stratford PSM)氏は、「女性は、男性と比較すると、人生を不健康な状態で過ごす時間が長くなっています。このことは家庭や地域社会、経済活動に完全に従事する能力を制限しています。これらの課題に取り組み、ジェンダーの不平等をなくすための革新的なフェミニスト研究を擁護するこの賞は、より包摂的で強固で持続可能な世界経済に貢献する波及効果を生み出します」と語る。
昨年の賞は、香港中文大学附属健康教育・ヘルスプロモーションセンターのジェイソン・ジュンジー・ファン(Jason Junjie Huang)博士に授与された。彼の研究では、Association of Pacific Rim Universities (APRU)グローバルヘルスプログラムの非感染性疾患ワーキンググループと共同で、女性が罹患する最も一般的ながんの1つである子宮内膜がんの世界的な調査を行った。調査の結果、子宮内膜がんに寄与する危険因子の多くがライフスタイルとの関わりがあり、予防策と早期発見への投資や教育キャンペーンによって意識を高め、発生率を減らすことが重要であることを明らかにした。
ストラットフォード氏は、「研究活動とリーダーシップにおけるジェンダーギャップを軽減する私たちの取り組みに参加してもらうため、アジア太平洋地域の女性研究者からの応募を強く奨励しています。私たちが力を合わせれば、社会の多様性を反映した包括的でダイナミックな科学コミュニティを創り上げることができます」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部