TSMCからの資金援助を受け、半導体工学科を開設 陽明交通大学

台湾の陽明交通大学(NYCU)は4月11日、半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)から1億新台湾ドルの資金援助を受けて、電気・コンピューター工学部(College of Electrical and Computer Engineering)に新たに「半導体工学科(Department of Semiconductor Engineering)」を開設したことを発表した。開設初年度となる今年は、定員の10倍を超える申込みがあった。

2023年8月10日、NYCUの半導体工学科準備室が正式に設立され、銘板の除幕式が行われた

TSMCは、多様化する半導体用途の需要に対応するため、米国、日本、ドイツをはじめ各国で新たなウエハーファブを設立しており、国際的な半導体人材の育成が喫緊の課題となっている。

新設された半導体工学科は、半導体製造、ナノテクノロジー、コンポーネント構造、チップ設計などの分野におけるNYCUの強みをフルに活用して人材育成を強化し、業界の需要に総合的に対応することを目指す。学科は、固体エレクトロニクスグループとナノサイエンスグループに分かれ、前者は集積回路プロセスや量子物理学、デバイス開発、チップ設計、後者はナノエレクトロニクス、ナノフォトニクス、ナノマテリアル、ナノバイオテクノロジーを取り扱う。

同学科は今後、留学生募集プログラムを開始し、シンガポールや日本、東欧、ドイツ、マレーシア、ベトナムなどから優秀な学生を募集することを計画している。

学生達はクリーンルームで実験を行う
(出典:いずれもNYCU)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る