運動後のタンパク質補給が食欲抑制や筋力向上に効果的 台湾・陽明交通大学

台湾の陽明交通大学(NYCU)は7月9日、同大学の研究チームが、運動後30分以内に高タンパク食品を摂取することで食欲が抑制され、筋肉の分解が遅くなり、心血管系の代謝が改善されることを発見したと発表した。この研究成果は、Physiology & Behaviorに掲載された。

(出典:NYCU)

理学療法・支援技術学科(Department of Physical Therapy and Assistive Technology)のチャオナン・チェン(Chiao-Nan Chen)教授率いる研究チームは、平均年齢が60歳近い中年肥満者を対象に研究を実施した。参加者は、スピンバイクを用いた高強度のインターバルエクササイズを3カ月間行った。

その結果、運動後は食欲が著しく増加するものの、運動後30分以内に高タンパク飲料を摂取することで、空腹感が軽減され、深夜の間食の可能性が減少することが分かった。また、運動と高タンパク質食を組み合わせることで、中年肥満者の心血管危険因子を改善し、サルコペニアを予防できることも明らかになった。

3カ月の研究期間中、運動に加えて高タンパク食を続けた参加者は、コレステロールとトリグリセリドの有意な減少、脂肪量の減少、インスリン感受性の改善、耐糖能の向上、炎症の低下を示した。さらに、筋力と運動能力も向上した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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