半導体エコシステムの構築目指すインド、台湾との協力を強化すべき 米シンクタンク

米国シンクタンク「カーネギー国際平和基金(Carnegie Endowment for International Peace)」は8月8日、半導体エコシステムの構築を目指すインドが、優れた半導体産業を有する台湾とどのように協力関係を深められるかについて考察する論文を公開した。

同論文には、カーネギー国際平和基金のインドの政策シンクタンクであるカーネギー・インディア(Carnegie India)が2024年3月に主催した台湾とインドの経済関係に関するバーチャル・ディスカッションでの議論が反映されている。ディスカッションでは、インドが持続可能な半導体エコシステムを構築するための重要な要素として、「一貫性のある政府支援」「グローバルな半導体企業をターゲットにした国内半導体産業の戦略的ポジショニング」「戦略的な政府支出」「海外、特に台湾の起業家を誘致するためのインダストリアル/サイエンスパークの設立」が取り上げられた。

同記事では、こうした議論を踏まえ、インドが最先端半導体で競争するのではなく、成長の可能性がより大きい40ナノメートル以上の成熟ノードに注力する戦略を取っていることや、インドの半導体政策が雇用創出の動きに変化をもたらしていることを指摘した。また、同じように半導体製造に力を入れているものの、この分野における中国企業とのつながりが非常に強いマレーシアと比較した場合、米中貿易戦争等の影響を受けるリスクが低いことと熟練労働力という点においてインドに優位性があるとの見解を示している。

最後に同論文は、台湾の優れた半導体専門知識がインドの半導体エコシステムの構築にとって貴重な役割を果たすと述べ、そうした専門知識を活用すべきであると提言するとともに、台湾半導体産業からの投資を確保するためにインドが台湾と頻繁に政府間協議を行うことを提案している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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