米国のヒューストン大学とライス大学の研究者らは、オープンAI(OpenAI)社が開発したChatGPTが創造性を必要とする問題への取り組みを支援することができると発表した。インドのAI関連ポータルサイトINDIAaiが8月29日に伝えた。研究成果は学術誌Nature Human Behaviourに掲載された。
発表された論文は、ChatGPTによる支援は、従来のグーグル検索や人間が行うブレインストーミングよりも優れていることが証明されたと論じた。研究者らは、「ChatGPTの創造性への影響に関する実験的調査(An empirical investigation of the impact of ChatGPT on creativity)」と題する論文を発表し、ChatGPT(GPT-3.5)を使ったプログラムの創造性やアイデアに関する能力を評価するための5つの実験を実施したという。
実験の参加者は、ChatGPTまたはグーグル検索を使って、創造的なアイデアを生み出すよう求められた。これらの実験では、ある母集団から選ばれた参加者と関連する業務に5年以上の経験を持つ専門審査員の2つのグループが採用された。結果、それぞれの実験における創造的なアイデアの評価においては、どちらのグループもChatGPTで生成されたアイデアの方が優れていると評価した。
この研究では、ChatGPTを利用すると、プレゼントのアイデア出しや不用品の再利用など、日常生活の問題解決に関する回答の創造性を高められることが分かった。ChatGPTの強みは、多様な概念を明確かつ首尾一貫した方法でまとめる能力にあり、離れた場所にある関連する概念をまとまりのある形に整理することである。この結果は、ChatGPTがゼロからまったく新しい概念を作り出すのではなく、データベースからさまざまな概念を組み合わせることに長けていることに起因していると考えられる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部