台湾の国家科学及技術委員会(NSTC)は、欧米を歴訪中のチェンウェン・ウー(Cheng-Wen Wu)主任委員が9月10日にシリコンバレーで開催された台湾科学技術ハブ(Taiwan S&T Hub)の年次会議に出席し、テクノロジー業界の専門家や著名研究者と交流したことを報告した。
冒頭挨拶をするチェンウェン・ウー(Cheng-Wen Wu)主任委員
(出典:NSTC)
台湾科学技術ハブは2023年にスタンフォード大学に設立され、第2回となる今年の年次会議では、ハイテク、半導体、人工知能(AI)における台湾の強みと、生物医学やエネルギーといった分野横断的な問題が取り上げられた。
ウー主任委員は冒頭の挨拶で、「台湾科学技術ハブは、世界トップクラスの人材と協力して優れた研究開発者を育成するだけでなく、台湾独自のアプリケーションサービスシステムの開発も支援する。さらに、このハブはシリコンバレーの革新的な考え方を台湾に還元することを目指しており、台湾と世界の両方に利益をもたらす」と述べた。
シリコンバレー滞在中、同主任委員はNVIDIAとAMDを訪問したほか、大手ハイテク企業の幹部らと台湾の技術開発の概況や人工知能(AI)、集積回路設計、先端半導体製造プロセス等の主要分野における技術協力の見通しについて、掘り下げた対話を行った。
ウー主任委員はまた、9月10日の記者会見と晩餐会の席で、台湾の「AIアイランド化」構想をメディアや現地のテクノロジー関係者に説明し、関連政府機関のリソースを調整して、設計から製造まで完全なAIサプライチェーンの構築を目指すと述べている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部