台湾・陽明交通大学のfree5GC、国際的なオープンソースプラットフォームに参加

台湾の陽明交通大学(NYCU)は9月20日、コンピューターサイエンス学院(College of Computer Science)の学院長ジーチェン・チェン(Jyh-Cheng Chen)博士が開発したオープンソースの5Gコアネットワークソフトウェア「free5GC」が、リナックス・ファウンデーション(Linux Foundation)のオープンソースプラットフォームに正式に加わったことを発表した。

ジーチェン・チェン(Jyh-Cheng Chen)博士(右から2人目)と研究チームは2019年にfree5GCをリリース
(出典:NYCU)

2019年にリリースされた「free5GC」は、国際標準に完全に準拠した世界初の5Gネットワークソフトウェアである。モバイル通信の「頭脳」とも言われるコアネットワークの開発は技術障壁が高く多大なコストがかかり、このことがイノベーションの妨げとなっている。この課題に対処するため、チェン博士はfree5GCをオープンソースソフトウェアとして立ち上げ、より広範な協力と開発を促進した。

チェン博士は、「超高速、低遅延、高信頼性を特徴とするfree5GCは、AIアプリケーションと組み合わせることで、最先端のイノベーションの出現を加速させる」との期待を示した。例として、同博士は、5Gや6Gネットワークを通じて、遠隔手術やインテリジェント診断といったスマートヘルスケアアプリケーションがリアルタイムで運用可能になることを挙げた。

リナックス・ファウンデーションのネットワーキング、エッジ、IoT担当ゼネラル・マネージャーのアーピット・ジョシプラ(Arpit Joshipura)氏は、「free5GCの参加は、透明性が高く、スケーラブルで、費用対効果の高いコアネットワークソリューションの実現に寄与するだろう」と述べ、チェン博士の貢献を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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