米国のシンクタンク、ハドソン研究所は10月17日、米国はインドの製造業の理想的なパートナーであり、インドは企業や投資を萎縮させるような行動を避けるべきと指摘する記事を公表した。
同記事によれば、米国の政策立案者が製造業の中国依存度を下げようとしている今、インドは、米企業にとって「チャイナ・プラス・ワン」候補として理想的な立場にあるという。
しかしこのパートナーシップのポテンシャルを引き出すためには、両国はその関係を優先し、現在の政策を見直す必要がある。インド政府に関しては、特定のセクターを選別し、特定のプレーヤーにインセンティブを与える産業政策を追求するのではなく、外国人投資家を誘致し、産業を育成するための競争的なビジネス環境の整備に重点を置く方が、国益にかなう。同記事では、インド政府はむしろ、規制システムの予測可能性と透明性を高めることに注力すべきと提言している。また、高い輸入関税の引き下げや廃止も、特にハイテクセクターの製造業を活性化させる上で大いに役立つ。
同記事はさらに、ハドソン研究所とインドのタクシャシラ研究所(Takshashila Institution)が最近発表した共同報告書から、両国がより緊密に協力し、経済協力を次のレベルに引き上げるためのアイデアをいくつか紹介している。例えば、貿易関連の相違の友好的な解決や、技術と知的財産の執行に関する共通規範の策定などである。また、米国からの資本と技術を、インド経済の成長のカギである物理的インフラの開発に生かせるよう、州レベルや都市レベルでの協力を可能にすることも両国にメリットをもたらす。最後に同記事は、二国間ビザ制度の整備など、人と人との結び付きを強めることも、インドの製造業に勢いをもたらすと述べている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部