アジア太平洋経済協力(APEC)は10月22日、ペルーのリマでAPEC財務大臣会合が開催され、国際機関や民間部門の代表者を加えて、APEC域内における政策と将来の見通しに関する議論が行われたと発表した。
世界経済が経済、金融、環境の各課題に直面する中、APEC財務大臣らは、持続可能性やデジタル化、強靭な社会を推進するための協力を進めている。2024年の財務大臣プロセス(FMP)では、経済統合、デジタルトランスフォーメーション、幅広い社会の成長に取り組むことを目指している。ペルー経済省の内閣チーフであるエリック・ラウラ(Erick Lahura)氏がセッションの冒頭の挨拶で、強靭で包摂的なアジア太平洋のビジョンを達成するため、APEC加盟国が緊密に協力する必要があることを強調した。
会合の主な議題は、国内のカーボンプライシングとノンプライシング措置、持続可能なエネルギー転換、持続可能なインフラファイナンス、持続可能な金融イニシアティブの4つの政策分野の実施に焦点を当てたものだった。参加メンバーは、水文気象リスクに関連する政策を強化する上で、強靭な財政の重要性を強調した。
APEC財務大臣らは、これらの方針に沿って、持続可能な金融イニシアティブ(SFI)の立ち上げを発表した。SFIは、金融機関や規制当局、投資家が持続可能な金融に関する専門知識を習得できるよう支援し、最終的には気候変動や社会的不平等などの喫緊の世界的課題に対処しながら、環境に配慮された包括的な経済成長の促進に貢献することを目的としている。さらに、APEC加盟国は、より深い金融市場を構築することで、世界の災害の約40パーセントが起こるこの地域において、強靭性を強化することを表明した。
その他にも、高まる保護主義に対して、貿易の円滑化を促進するための戦略などが注目された。特に最近の金利調整と、それが通貨のバリュエーションやインフレに与える潜在的な影響を考慮し、金融政策における継続的な警戒の必要性が確認された。
最後に、ペルーの経済財務大臣であるホセ・アリースタ(José Arista)氏は、これまでのFMPの中でペルーが最も多くの決定、革新、採択文書を伴った計画を提案したことを強調し、これを可能したAPEC加盟国やAPEC事務局、APECビジネス諮問委員会、国際機関の努力に謝意を示し、APEC財務大臣会合を閉会した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部