台湾の中央研究院(Academia Sinica)は10月30日、同院のジェームズ・リャオ(James C. Liao)院長がドイツのハイデルベルクで開催された欧州分子生物学機構(European Molecular Biology Organization:EMBO)の第60回年次総会に出席し、同院と国家科学及技術委員会(NSTC)を代表して、EMBOの準加盟国協定に調印したと発表した。
準加盟国協定に調印したAcademia Sinicaのジェームズ・リャオ(James C. Liao)院長(左)とEMBOのフィオナ・ワット(Fiona M. Watt)理事長
(出典:Academia Sinica)
EMBOは、欧州内外における分子生物学の基礎研究促進を目的として1964年に設立された機関であり、台湾は2012年から中央研究院とNSTCを通じて、協力パートナーとして参加していた。今年7月にはEMBO加盟国から全会一致で準加盟の承認を得、今回の協定締結に至った。シンガポールとインドに次ぐ3番目の準加盟国となる。
リャオ院長は、中央研究院とEMBOが長年にわたり強固な協力関係を構築してきたことに言及した。そして、EMBOへの準加盟により、多国間の地域学術イベントを共同企画し、台湾をアジアとヨーロッパの科学者の共同研究拠点として位置付けることが可能になるとの期待を示した。
協定に共同署名したEMBOのフィオナ・ワット(Fiona M. Watt)理事長は、「今回の協定は、台湾と欧州の生命科学分野の研究者間のより一層の協力と交流に道を開くもの」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部