台湾の工業技術研究院(ITRI)が、11月21日に米カリフォルニア州パームスプリングスで開催された「R&D 100アワード」授賞式にて、8つの受賞技術について表彰を受けた。米国のR&Dワールド(R&D World)誌が主催するR&D 100アワードは、科学技術産業のアカデミー賞とも呼ばれ、ITRIの受賞は今年で17年連続となる。
(出典:ITRI)
ITRIのエドウィン・リウ(Edwin Liu)院長は、「ITRIは今年も好成績を挙げ、ITRIの市場志向の研究開発が国際的な評価を得ていることを示した」と述べた。リウ院長はまた、ITRIが技術の商業化に力を入れていることを強調し「過去17年間で、R&D 100を受賞したITRIの66の技術のうち9割以上が産業界に移転されたか、新興企業によって市場に投入された」と語った。
R&Dワールド副社長兼編集ディレクターのポール・へニー(Paul Heney)氏によれば、2010年以来、ITRIを含む台湾の企業や機関はR&D100アワードで目覚ましい活躍を見せており、今年は受賞者・最終選考進出者の数が米国に次いで第2位となったという。同氏はまた、ITRIの今年の受賞技術の多くがAIアプリケーションと強く結び付いており、世界的なトレンドに沿ったものであることに言及した。
受賞した技術には、発熱を90%低減し、コストを80%削減する生成AI向けの積層チップや回収した二酸化炭素を高性能のポリカーボネートに転換する技術などが含まれる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部