3つのインテリジェント画像診断システムがQMS認証を取得 台湾・陽明交通大学

台湾の陽明交通大学(NYCU)は1月15日、同大学が開発した3つの最先端のインテリジェント画像診断システムが品質管理システム(QMS)認証を取得したと発表した。

(出典:NYCU)

1つ目は、バイオフォトニクス研究所(Institute of Biophotonics)のユーテ・ウー(Yu-Te Wu)教授のチームが開発した人工知能(AI)支援の脳腫瘍検出システム「DeepBT Detector」で、複数の腫瘍を対象とするアノテーション(注釈付け)で承認を受けた台湾初のクラスIIのソフトウェアベースの医療機器である。

2つ目は、医学部のアルバート・チーチェイ・ヤン(Albert Chih-Chieh Yang)教授のチームと台北栄民総医院(TVGH)が共同開発した救急早期警告プラットフォーム「NEXUS-AI」で、AIを利用して敗血症の初期段階の予測を可能にする。

3つ目は、医用生体工学科(Department of Biomedical Engineering)のホイフア・ケニー・チャン(Hui-Hua Kenny Chiang)教授のチームが開発した麻酔用穿刺針で、特に肥満患者に対する局所麻酔の画像診断と処置上の課題を解決する。

医療機器革新・橋渡しセンター(Medical Device Innovation and Translation Center)のディレクターを務めるチュンリー・リン(Chun-Li Lin)教授は、学術研究と産業応用のギャップを埋めるための同大学の取り組みを強調した。同教授によれば、大学や病院における従来の医療機器開発では、製造、品質システム、臨床試験前の規制試験といった重要な側面が見落とされることが多く、それが製品化や臨床導入上の課題につながっている。複数のQMS認証を取得することで、医療技術を提携企業に直接移転することが可能になり、市場投入までの時間の大幅な短縮が実現する。

NYCUは現在、さらに数種類の製品のQMS認証取得に向けた取り組みを進めている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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