米国インディアナ大学などの研究チームが、CEOの音声を分析することで、うつ病の深刻度について評価する新しい人工知能(AI)モデルを開発した。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが1月10日に伝えた。
研究者たちは、AIの1つである機械学習モデルを用いて、電話会議の録音音声に対して音響特徴を分析し、うつ病の評価を行うことに成功した。CEOという立場はプレッシャーも多いため、メンタルヘルスに与える影響について調査を行うことは重要である。
今回の研究では、CEOのうつ病の程度とキャリア成果、報酬、インセンティブとの関連性を調査した。その結果、うつ病の程度と報酬は比例関係にあり、報酬と業績が連動していることが示唆された。また、うつ病のCEOは否定的なフィードバックに対する反応性が高く、肯定的なフィードバックに対する感度が低いことが示唆された。
研究を率いたインディアナ大学ケリービジネススクール助教授のナルゲス・ゴルシャン(Nargess Golshan)博士は、「経営者の間でうつ病が蔓延しています。うつ病の要因や病気がビジネス上の意思決定に及ぼす影響、また、経営者層のうつ病に対するサポート方法などを理解するためには、さらなる研究が必要です」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部