台湾の経済部能源署は2月13日、洋上風力発電の建設を加速させることを目的とした国家融資保証機制に関する紹介記事を公開した。
(出典:経済部能源署)
台湾では、RE100対応やその他の国際競争力強化のためにグリーン電力への需要が高まっており、特に先進的な製造プロセスではより高い比率のグリーン電力が必要とされている。こうした状況を受け、2030年までに国内製品のグリーン電力比率を高めることが喫緊の課題となっている。
国家融資保証機制は、国家発展委員会(NDC)、財政部、経済部(MOEA)が共同で立ち上げたイニシアチブで、国家開発基金と大手国有銀行8行が参加しており、総額900億台湾ドル規模の融資保証能力を提供している。その目的は、銀行や保険基金から洋上風力発電への融資を促進して洋上風力発電の建設を加速させることで、国内のハイテク産業のために十分なグリーン電力を確保し、ひいては輸出競争力を高めることにある。
能源署によれば、台湾における洋上風力発電の開発は区域開発段階まで進んでおり、2026年~2031年までの間に1兆800億台湾ドルの資金需要が見込まれる。こうした需要増に対応するため、最近、MOEAとNDCとの協力により、プロジェクトファイナンス事業者によるグリーンエネルギー建設プロジェクトに対する国家信用保証率が60%から80%に引き上げられ、風力発電プロジェクトに参加する銀行への信用保証が強化された。
さらに、国家信用保証機制は、一般企業によるグリーン電力調達に最大80%の信用保証を提供する。これは、国内の電力購入企業に追加的な信用保護を提供すると同時に、銀行が企業向け電力購入契約(CPPA)を審査する際の信頼感を高める役割も果たす。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部