アジア太平洋経済協力(APEC)は3月7日、APECの科学技術イノベーション政策パートナーシップ(PPSTI)が韓国の慶州で第25回会合を開き、新興技術に関する議論の基盤を築き、科学分野の協力を強化し、包括的な開発を推し進めると発表した。
2025年は、PPSTIが10年間の戦略計画の更新を行い、APECメンバー・エコノミー間の協力強化に取り組む変革の年である。PPSTIの議長であるラヒマ・カンダハリ(Rahima Kandahari)氏は、会合の挨拶の中で、PPSTIの重要性を示し、APECプトラジャヤ・ビジョン2040を推進する取り組みを強調した。
カンダハリ氏は、PPSTIの取り組みの質と影響を高めることを目的としたミッション志向型イノベーション政策(MOIP)を支持し、「MOIPは、PPSTIプロジェクトの質と影響力を強化し、広義にはECOTECHの運営委員会が定める期待に合わせることで、PPSTIの長期的な有効性を支援する主要なマイルストーンであり、重要なステップです」と述べた。
PPSTIのメンバーは、議論の焦点を絞り、研究協力の強化や、APEC科学者交流イニシアティブを含めた人材の流動性の強化、量子科学、人工知能、バイオテクノロジーなどの新興技術の社会経済的価値の最大化を支持した。また、今年の主要課題として、科学技術に関する能力の向上やオープンサイエンスなども取り上げられた。
また、この会合では、イノベーション、研究及び教育のためのAPEC科学賞(ASPIRE)の発表が盛大に行われた。この賞は、持続可能な成長とイノベーションに顕著な貢献を果たしたAPECエコノミーの若手科学者を毎年表彰するものである。今年のAPECの開催国である韓国は、ASPIREを支援し、その継続的な成功を確保することを約束した。
PPSTIは、2025年のテーマであるオープンイノベーションと新興技術を活用し、APEC人材による包括的開発の下、科学、技術、イノベーションにおける影響力ある協力を推進することを目指している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部