【共同通信】 台湾にも「謎の人類」の化石 デニソワ人、広くアジアに分布

台湾沖の海底で見つかった19万年前~1万年前の人類の下顎化石は、タンパク質の解析により「謎の人類」とされる絶滅した旧人「デニソワ人」の男性と分かったと、総合研究大学院大や東京大などの国際研究チームが10日付の米科学誌サイエンスに発表した。総研大の蔦谷匠助教(自然人類学)は「温暖な台湾で見つかったことでアジア南部まで広範囲に分布していたことが裏付けられた」としている。

これまでデニソワ人の化石が発見されたのはシベリアと中国・チベット高原のみで、姿や詳しい分布域はよく分かっていない。頑丈な顎や大きな臼歯があり、現生人類のホモ・サピエンスや約4万年前に絶滅したネアンデルタール人とは異なる特徴があるという。

これまでのゲノム(全遺伝情報)研究から、ホモ・サピエンスがデニソワ人やネアンデルタール人と交雑した可能性が高いことが判明。現代の日本人のゲノムにもわずかにデニソワ人らとの交雑の痕跡が残っていることが分かってきた。

デニソワ人の想像図(孫正涵氏作成)
(共同通信提供)

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