5Gエア・インターフェースの実証に成功 台湾ITRI

台湾の工業技術研究院(ITRI)は3月14日、5G非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network:NTN)規格の導入に向け、主要なエコシステムパートナーと協力して、地球低軌道(LEO)衛星と静止軌道(GEO)衛星の両方で5Gエア・インターフェースの試験運用を成功させたと発表した。

ITRIと主要なパートナーは、低軌道衛星(LEO)および静止軌道(GEO)衛星のシナリオで動作する5Gエア・インタフェースを実証した
(出典:ITRI)

仏ユーテルサット(Eutelsat)、台湾のメディアテック(MediaTek)、仏エアバス(Airbus)との試験運用では、低軌道衛星通信サービス「Eutelsat OneWeb」の衛星リンクを経由して、メディアテックのNR-NTNテストチップを搭載した5G端末装置とITRI NTN gNBを接続し、エアバスが構築した衛星とトラフィックを交換することに成功した。

さらに、ITRIと中華電信(Chunghwa Telecom:CHT)は、GEO衛星を介した世界最先端の5G NTN広域帯接続を実証した。この試験運用では、非常に不安定なGEO伝播環境の課題を克服し、ITRI NTN gNBと5Gユーザー端末を統合することで、最大2 bps/Hzという高いスペクトラム効率を達成した。

ITRIの情報通信研究所(Information and Communications Research Laboratories)パンガン・ティン(Pang-An Ting)副所長兼統括ディレクターは、「ITRI NTN gNBを用いた5Gマルチ軌道NTN衛星接続の実証実験の成功は、NTN基地局の柔軟性と設計の革新性を証明するだけでなく、5G機器向けのNTN/TNブロードバンド接続のシームレスな融合の下地を作るものです」と述べ、今後も業界パートナーと緊密に協力していく方針を表明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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