ノーベル賞受賞者を招く国際学術交流プログラム開催を発表 台湾・中央研究院

台湾の中央研究院(Academia Sinica)は2月27日、国際平和基金(International Peace Foundation:IPF)と台湾が協力して開催するTaiwan Bridges Event Series (台湾ブリッジズ)の中で、中央研究院に10人のノーベル賞受賞者が訪問し、講義や議論を行うことを発表した。

台湾ブリッジズは、単なる大規模講演にとどまらず、台湾の学者や学生がノーベル賞受賞者と共通の研究テーマについて深く議論できる機会を提供する点が特徴で、科学、人文科学、社会問題に関する台湾の国際的存在感を高めることが期待されている。IPFのウーヴェ・モラウェッツ(Uwe Morawetz)会長が来台し、中央研究院をはじめとする複数の大学との協力体制について議論し、この台湾ブリッジズを正式に立ち上げた。

国際平和基金のウーヴェ・モラウェッツ(Uwe Morawetz)会長(右から2人目)と懇談する中央研究院のジェームズ・リャオ(James C. Liao)院長(左から2人目)
(出典:中央研究院)

中央研究院はこれまでもノーベル賞受賞者を多数招いてきた実績があり、2024年半ば以降だけでも4名が講演を行っている。今後の台湾ブリッジズにより、1年半で少なくとも14人のノーベル賞受賞者が台湾を訪問することとなり、台湾の研究水準と国際的魅力の高さを示すものとなる。

モラウェッツ会長の訪台中、中央研究院のジェームズ・リャオ(James C. Liao)院長は、政治学、社会学、原子分子科学、物理学、天文学、天体物理学、生物医学、分子生物学、細胞生物学、有機体生物学、生物化学、化学、ゲノム研究センター、人文社会科学研究センターなど、さまざまな研究機関の責任者を招き、台湾の学術界全体の利益のために、この学術行事の議論と企画に協力するよう呼びかけた。

イベントは、中央研究院に加え、台湾の9つの大学と連携して開催される予定だ。全体で25名以上のノーベル賞受賞者の招聘が見込まれており、台湾全土の学術界にとって大規模かつ象徴的な取り組みとなる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る