海洋の持続可能性に向けた革新と連携を呼びかけ APEC

アジア太平洋経済協力(APEC)は5月8日、韓国・釜山で開催された第5回APEC海洋担当大臣会合(AOMM)において、海洋の持続可能性確保に向けて、革新的な技術導入と地域間連携の強化を呼びかけた。

2025年APEC高級実務者会合議長のユン・ソンミ(Yoon Seongmee)大使は「海洋はアジア太平洋地域を繋ぎ、イノベーションとデジタル変革のフロンティアであると同時に、繁栄のための重要な資源でもあります。私たちの共同の行動は、海洋だけでなく、APEC加盟国全体にとって、持続可能で繁栄した未来を築くことに貢献するでしょう」と述べ、気候変動、技術進歩、人口動態の変化といった課題に対処するためにAPECがどのように進化してきたかを強調し、海洋問題がこれらのより大きな地球規模の課題とますます密接に結びついていることを指摘した。

APECのエドゥアルド・ペドロサ(Eduardo Pedrosa)事務局長は「海洋資源は社会・経済の根幹であり、未来の世代のために海洋の健全性と持続可能性を確保するため、革新と協力を継続していくことが不可欠です」と語った。また、APECが進めている海洋ごみ、IUU(違法・無報告・無規制)漁業、小規模漁業・養殖に関する3分野のロードマップを紹介し、技術革新と政策連携が今後の鍵となると強調した。

同事務局長はリモートセンシングやデータトラッキングなどの先端技術を活用した海洋資源管理の重要性についても触れ、「テクノロジーを活用することで、漁業や養殖業といった持続可能な経済活動を支援しながら、海洋生態系の予測、管理、保護能力を向上させることができます」と述べた。

APEC諸国がこれらの課題に取り組み続ける中、ユン大使とペドロサ事務局長は両者とも継続的な対話と行動の必要性を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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