米スタンフォード大学ショレンスタインアジア太平洋研究センター(APARC)は6月17日、気候変動対策に関する対話を行うサステナビリティ・ダイアログ2025をモンゴルのウランバートルで6月6日に開催したことを発表した。
本取り組みは、APARCとモンゴル大統領府、韓国の潘基文財団が共同で行った。本対話では「気候変動対策:数十億本の木々」をテーマに掲げ、アジア太平洋諸国の政策立案者や研究者、民間セクターのリーダー、市民社会の代表者らが一堂に会し、気候変動対策に向けた地域協力と研究・政策連携の強化を通じて、国連の持続可能な開発目標(SDGs)13「気候変動に具体的な対策を」の実現を加速させることが目指された。
開会式では、モンゴルのウフナー・フレルスフ(Ukhnaa Khurelsukh)大統領が、2050年までに温室効果ガス実質ゼロ目標達成というモンゴルの野心的な目標を強調し、国家的な10億本の木キャンペーンを紹介した。潘基文第8代国連事務総長は国際協力の必要性を強調し、APARCのシン・ギウク(Gi-Wook Shin)所長は国際協力の成功モデルを推進するアジア太平洋地域のリーダーシップを高く評価した。
第1セッションでは、気候変動対策の資金調達に焦点が当てられ、先進国の資金拠出、公平なアクセス、包摂的実施枠組み、国際的な資金調達と連携した支援の構築が訴えられた。第2セッションでは、教育と人的・組織的能力の強化が取り上げられ、コミュニティが達成可能な気候変動目標に対応できるよう、より強力な協働の取り組みと組織的コミットメントが呼びかけられた。最終セッションでは、土地劣化と生態系再生の国家気候戦略への統合に関して、生物多様性、水資源、食料安全保障、気候調節、大気質、人間の健康、レクリエーション、その他の不可欠なサービスの維持における陸上生態系の重要な役割が強調された。
APARCのシン所長は閉会にあたり、「政策立案者が持続可能性アジェンダを実行できるよう支援し、次世代の気候変動対策リーダーを育成し、野心的な気候変動対策を促進するための地域および世界規模の協力を支援する、政策関連研究を継続的に推進していきます」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部