国際ランキング上昇も世界的研究協力の強化は不可欠 台湾・陽明交通大学

台湾の陽明交通大学(NYCU)は6月24日、QS世界大学ランキングおよびタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)のインパクトランキングで順位を上昇させ、研究・社会貢献両面で国際的評価を高めていることを発表した。

NYCUがQS世界大学ランキングトップ200に初登場
(出典:NYCU)

6月19日に発表された2026年度のQS世界大学ランキングで、NYCUは前年から20位上昇し、過去最高の199位にランクインし、台湾国内では第3位となった。特に、論文の引用数(43位上昇)、就職成果(31位上昇)、持続可能性(124位上昇)といった指標で顕著な向上が見られた。一方、学術的評価や国際研究ネットワーク(IRN)スコアでは順位を落とし、前年から81位低下し782位となった。

NYCUの機関調査・データ分析センター所長のクアンチェン・フアン(Kuan-Cheng Huang)教授は「世界的な研究協力を強化し、影響力のある学術界における認知度を高めることが、私たちの勢いを維持するために不可欠です」と提言している。

また、NYCUは6月18日に発表されたTHEインパクトランキング2025で世界41位に入り、台湾では台湾大学(14位)、成功大学(31位)に次ぐ第3位に位置した。このランキングは国連のSDGs達成度に基づいて大学を評価するもので、NYCUはSDGs目標16(平和と公正をすべての人に)、SDGs目標3(すべての人に健康と福祉を)、SDGs目標2(飢餓をゼロに)、SDGs目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)など7項目でトップ100入りを果たしている。報告書によると、ガバナンス、インクルーシブ教育、健康プログラム、持続可能性関連研究の豊富さが評価向上に貢献したとされた。

NYCUは、2021年に陽明大学と交通大学の合併により誕生し、医学・工学・社会科学を横断する学際的研究を強みに、アジア地域のリーダーとして台頭してきている。科学の卓越性と社会へのインパクトの両方に重点を置くNYCUは、ランキングの上昇だけでなく、世界に貢献する力としての地位を確立している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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