APEC高級実務者会合を韓国で開催、貿易・デジタル・持続可能性を議論

アジア太平洋経済協力(APEC)は8月15日、韓国の仁川で第3回高級実務者会合(SOM3)を開催し、10月に慶州で開かれる閣僚・首脳会合に向け、貿易、デジタル経済、持続可能性に関する議論を前進させたと発表した。

会合では、2025年のAPECの優先課題である「つながる、革新する、繁栄する」の進捗が報告された。さらに、議長国の韓国が重点を置く人口動態の変化や人工知能(AI)技術の急速な進展への対応も主要な議題となった。参加者は、デジタル経済の統合や公衆衛生協力、合意に基づく実用的な解決策を創出する場としてのAPECの役割を強調した。

2025年APEC高級実務者会合議長のユン・ソンミ(Yoon Seong-mee)大使は、「2025年は見直しとロードマップ策定の重要な年であり、慶州での再会合まで残り80日を切りました」と述べ、迅速な議論を呼びかけた。同大使はまた、すでに8つの閣僚会合とハイレベル対話が開かれており、今後2カ月で文化・創造産業、エネルギー、中小企業、保健・経済、金融、構造改革などを含む約6つの会合が予定されていると説明した。

さらに、APECビジネス諮問委員会(ABAC)は、貿易や投資、持続可能性、デジタル変革に関する提言を共有した。韓国からは、10月に慶州で開かれるAPEC CEOサミット2025の準備状況が報告され、同サミットでは政財界のリーダーが集まり、包摂的な成長や地域の回復力強化の戦略を議論する予定である。

APEC事務局のエドゥアルド・ペドロサ(Eduardo Pedrosa)事務局長は、「仁川での成果は地域の最重要課題への合意形成を前進させました。多様性を行動力へと変えることで、合意は企業や労働者、地域社会に確実に利益をもたらします」と述べた。さらに、政策関連研究や学術交流を促進するため、APEC研究センターコンソーシアムとの連携強化の必要性を指摘した。

同大使は最後に、「今回の会合は、開かれ、活力があり、強靭で平和な未来への共通の決意を再確認するものです。短期間で多くの課題に取り組む必要があり、引き続き野心と革新性を持って共通基盤を築いていきましょう」と呼びかけた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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