スマート医療と製造業向けにAIロボット3種を発表 台湾経済部

台湾の経済部能源署(MOEA)は8月20日、AIを活用したロボット技術の最新成果として、研究機関や企業との協力により開発された、医療と製造業に向けた3種類の最先端アプリケーションを台湾オートメーション・インテリジェンス&ロボット展(TAIROS)で発表した。

MOEAは、工業技術研究院(ITRI)や精密機械研究開発センター(PMC)などの研究機関と連携し、スマート医療と製造分野における11の革新技術を共同で発表

発表したのは、診断の安全性と効率を高める台湾初のAI内視鏡ロボット、医療従事者の業務を20%軽減する医療物流・器具準備ロボット、そして効率を2倍に高めながらコストを半減させるデジタルツイン溶接ロボットである。これらは中鋼機械社、台湾大学病院、彰化キリスト教病院との共同開発による成果である。

AI内視鏡ロボットは、台湾大学病院に導入された台湾初のロボットで、外部穿刺を避けつつ精度を高めることで診断リスクを低減する。医療サービスロボットは日常業務の一部を自動化し、医療従事者が患者対応に専念できるよう支援する。デジタルツイン溶接ロボットはシミュレーションと双方向制御を活用し、カスタマイズされた超精密溶接を可能にする。

ITRIが台湾初のAI内視鏡ロボットを発表、医療診断における精度と安全性を推進
(出典:いずれもMOEA)

MOEA技術局(DoIT)の上級技術専門家であるツォウ・ツンシュン(Tsung-Hsun Tsou)氏は「世界的なサプライチェーン再編の中で台湾は製造業からスマート製造業へ移行しています」と述べた。同局は過去6年間で70件の国際特許を取得し、300件を超える技術移転を実施、約120億台湾ドルの産業価値と投資を生み出してきたという。

DoITは今後、情報通信技術(ICT)の強みと医療分野の知見を結びつけ、医療ロボティクスを拡大させる方針を示した。台湾は先端技術と産業および医療アプリケーションを統合することで、世界市場におけるスマート医療・スマート製造分野における新たな機会獲得の体制を整えている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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