セミコンネットワークサミット開催、信頼できるグローバル協力呼びかけ 台湾

台湾の工業技術研究院(ITRI)は9月9日、同院と国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が台北でセミコンネットワークサミットを共催したと発表した。

ITRIとSEMIは9月9日、台北でセミコンネットワークサミットを共催した
(出典:ITRI)

台湾の国家安全保障と経済発展に欠かせない戦略的分野である半導体業界は、世界的な貿易政策と地政学的リスクの高まりに直面している。セミコンネットワークサミットは、強靭な半導体エコシステムの構築を目指して、ハイレベルのグローバルな対話とAIチップのコラボレーションを促進し、人材育成を拡大するために開催された。イベントには、米国、日本、英国、フランス、ドイツ、チェコ共和国を含む28カ国から600人以上の参加者があり、半導体エコシステムに関する議論の世界的な重要性を改めて浮き彫りにした。

台湾の頼清徳(Lai Ching-te)総統は、海外からの参加者を歓迎し、半導体産業の発展がより安全で回復力があり、繁栄したものになるよう半導体産業におけるパートナーシップの強化に注力した。

サミットでは、同総統から日本の自民党の半導体戦略推進議員同盟の名誉会長を務める甘利明氏と台湾積体電路製造(TSMC)の会長兼CEOのシーシー・ウェイ(C.C. Wei)氏に経済貢献勲章が授与された。甘利氏は、日本と台湾の半導体産業間の戦略的協力を促進したことで表彰され、ウェイ氏は世界的なチップ技術の発展と、AIと車載電子分野の応用拡大を通じた台湾の国際的な知名度向上への貢献が評価された。

同総統は、政府が台湾を重要な世界のイノベーションハブとして位置付けるため、量子コンピューティング、シリコンフォトニクス 、ロボット工学などの分野の研究開発を支援する10大AIインフラプロジェクトを立ち上げる計画であると発表した。またイベントでは、グローバルな半導体ネットワーク対話の促進、信頼できる国境を越えたサプライチェーンパートナーシップの強化、AIチップの未来を共創、半導体産業の人材育成をテーマにした4つのパネルセッションが行われた。

セミコンネットワークサミットは、台湾の強みを活かして世界の半導体サプライチェーンのセキュリティと回復力を強化するという台湾の積極的な取り組みを示し、戦略的な国際協力を促進する上での信頼できるパートナーとしての役割を実証した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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