台湾ITRIが2025年度受賞者5名を発表、初のイノベーションウィーク開催

台湾の工業技術研究院(ITRI)は9月15日、半導体やバイオメディカル分野に貢献した5名を2025年度ITRI受賞者として表彰し、同時に「ITRIイノベーションウィーク」を開始したと発表した。

ITRIは9月15日、2025年度ITRI表彰式を開催し新たに選出された5名を表彰
(出典:ITRI)

ITRIは、半導体、エンジニアリング、バイオメディカル分野で顕著な業績を挙げた5名を表彰した。受賞者は、台湾積体電路製造(TSMC)社の執行副社長裁兼共同最高執行責任者のワイジェイ・ミー(Y.J. Mii)博士、CTCIグループ会長のジョン・T・ユー(John T. Yu)氏、中国医薬大学(CMU)およびヘルスケアシステム会長のチャンハイ・ツァイ(Chang-Hai Tsai)博士、TSMC社元企業戦略開発担当上級副社長のウェイジェン・ロー(Wei-Jen Lo)博士、国立台湾大学病院(NTUH)ヘルスケアシステム管理センター長で国立台湾大学(NTU)医学院小児科教授のイェンシュアン・ニー(Yen-Hsuan Ni)博士である。

式典には台湾の蕭美琴(Bi-khim Hsiao)副総統が出席し、受賞者の卓越した業績と国家産業発展への貢献を称えた。同副総統は、ITRIが半導体、バイオメディカル、エンジニアリングの各分野で技術革新を推進し、産官学研究をつなぐ重要な架け橋として大きな役割を果たしていると強調した。

ITRIのツォンツォン・ウー(Tsung-Tsong Wu)会長は、受賞者の多様な専門性が台湾の先端製造業や持続可能な工学、バイオメディカル分野の強みを示すものだと述べた。同会長は、ITRIが過去52年間にわたり政府政策と産業界のニーズを支援し、半導体やICTから「五大信頼産業」へと発展してきた経緯を紹介した。さらに、今後はAI導入やデジタルトランスフォーメーションを進め、ヒューマノイドロボットやドローン、無人機など新興分野を主導していく方針を示した。

今回初開催となった「ITRIイノベーションウィーク」は9月15日から19日まで、新竹キャンパスと台南キャンパスで開催される。期間中は受賞者会議や「2035学際イノベーションフォーラム」「スマートヘルスケアフォーラム」「南台湾産業変革フォーラム」「ロボティクス&ドローンフォーラム」が行われる。また、併催される「IP&スタートアップウィーク」では知的財産戦略や起業支援が議論され、技術展示会ではAI主導の産業ソリューションが紹介される予定だ。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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