韓国・仁川でAPEC構造改革閣僚会合を開催 APEC

アジア太平洋経済協力(APEC)は10月23日、市場開放の維持や経済回復力の強化、成長の地域全体への波及を図る次世代改革を策定するため、韓国の仁川で2日間のAPEC構造改革閣僚会合(SRMM)を開催したと発表した。

会議の冒頭、韓国のク・ユンチョル(Koo Yun Cheol)副総理兼企画財政相は、この構造改革が地域の経済的物語を決定づける瞬間であると述べた。同相は、「私たちは、真の転換点に立っています。将来の世代が人工知能(AI)の前と後と表現するかもしれません」と述べ、AIとデジタルイノベーションの変革的な影響に触れ、「このテクノロジーの機会をどのように活用するかは、完全に私たち次第です」と付け加えた。

こうした背景の下、同相は進化する現実に対応するための構造改革の重点的アプローチを提示した。同相はよりつながりのある市場を構築するための政策調整を強化するよう呼びかけ、2035年までに5つの主要分野で20%の改善を目指す第4次APECビジネス環境改善行動計画(Ease of Doing Business Action Plan)の目標を達成するための取り組みを改めて示した。

また、デジタル変革の緊急性を強調し、協調的な規制改革や人材育成、デジタルインフラを通じてAIの導入を加速するよう各国に促した。閣僚らは、構造改革が接続性を向上させ、公正で競争力のある市場を促進し、特に若者や女性、高齢労働者、中小企業の正規経済への参加を拡大する方法について議論した。

同相は、「地域の繁栄を確保するには、全ての人々が経済成長によって生み出される機会から恩恵を受けることが不可欠です」と述べた。また、APEC事務局のエドゥアルド・ペドロサ(Eduardo Pedrosa)事務局長は、閣僚らへの発言の中で、景気後退期と好況期の両方で改革の価値を強調し、「私たちの経済における構造改革は、私たちの市場が機能する制度と政策設定を形作る継続的なプロセスです」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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