BCGエコノミー賞で気候変動分野の先駆者を表彰 APEC

アジア太平洋経済協力(APEC)は10月31日、BCGエコノミー(Bio-Circular-Green Economy:バイオ・循環型・グリーンを重視する新経済モデル)賞として気候変動分野で先導的な取り組みを進める3名を選出したと発表した。

APECはバンコク目標の下、持続可能性を地域成長の中心に据える方針を掲げている。本賞はその取り組みを具体化するもので、今年の受賞者はいずれも多様な現場で環境配慮と経済活動を両立させている点が評価された。

中国からは、ブルーサークルテクノロジー(Blue Circle Technology)社の共同創業者であるワン・ジエンリー(Wang Jianli)氏が受賞した。同氏は海洋廃棄物を技術によって資源化する取り組みを主導し、社会的影響力の大きい海洋廃棄物管理事業を展開している。同氏は、「海への愛が、私をブルーサークルテクノロジーの共同設立へと駆り立てました。特に、かつて廃棄物を拾っていた女性や高齢者の生活が変わったことを誇りに思います」と語った。

ベトナムからは、BINKS(Botanical Inks)社の創業者であるトラン・ニャン・キエット(Trần Nhân Kiệt)氏が選ばれた。同氏は人工知能(AI)とバイオテクノロジーを用い、廃棄される果物や野菜をインクや絵の具へ再生する技術を開発している。同氏は、「ベトナムでは毎年700万t以上の野菜が廃棄されています。私たちはそれを安全で高性能なインクへと生まれ変わらせています」と述べ、地域の子どもや教育現場が利用できる画材づくりを目指すと話した。

シンガポールからは、サーキュラーユナイト(Circular Unite)社のCEO兼共同創業者であるエマニュエル・テイ(Emmanual Tay)氏が受賞した。同氏は家族3世代のリサイクル事業を基盤に、AI、IoT、データ分析を統合した廃棄物管理システムを構築している。同氏は、「多くの中小企業と同様に私たちも課題に直面していますが、それらは私たちのイノベーションの原動力でもあります」と述べた。

APECのエドゥアルド・ペドロサ(Eduardo Pedrosa)事務局長は、「BCG賞は、加盟国がバンコク目標を具体的な成果へと結びつけようとする姿勢を示すものです。各国が持続可能性を成長モデルに取り込み、環境面と社会面の双方で価値を生むイノベーションを進めていることを示しています」とコメントした。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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