2022年02月04日 AsianScientist
構想から消費まで、協働してイノベーションプロセスを包括的に継続することがシンガポールのJAH Tech社の成功の鍵である。
JAH Tech社のタン・チョング・フイ (Tan Chong Hui) CEO
AsianScientist - 高度な輸送から進化したスキンケアまで、店の棚にあるすべての製品や消費者に利便性を提供するすべてのサービスの中には、人間が必要とするイノベーションが存在する。だが、イノベーションプロセスは、あるアイデアを発案してそこで終了というものではない。企業にとって大切なことは、アイデアを採用して市場に出し、実際の経済価値を生み出すことである。
このプロセスはどのテクノロジー研究所でも、まったく同じように進められる。研究所はテクノロジーを商業化し、特に一般消費者を対象とする企業に提供する。これを達成し、商業化および3つのディープテック研究所とのパートナーシップを管理するために、JAH Tech社がシンガポールに誕生した。
設立は2019年。同社は現在、20年分のディープテック研究を管理し、美容と健康を研究するJAH Life、ナノ・モールディング・テクノロジーのJAH Materials、および排出制御テクノロジーのJAH Gaiという3つの研究所から社会実装への応用に力を注いでいる。
JAH Tech社を支えているのは研究チームと商業チームの間に築かれた緊密な協力関係である。さらにシンガポールのIPIによるサポートも受け、JAH Techは市場のニーズに迅速に対応することができる。このインタビューでは、JAH Tech社のCEOであるタン・チョング・フイ (Tan Chong Hui) 氏が、同社がパートナーに与えた利益や、協働イノベーションへの取り組みについて教えてくれる。
現在、JAH Tech社は、研究所で開発されたいくつものテクノロジーの商業化に重点を置いています。当社は、既存のチャネルを持つ産業パートナーを常に探しています。それは、消費者、企業、業界が使用できる新しくエキサイティングな製品を共同で販売し、または開発するためです。
当社の主な特徴は、テクノロジーとビジネスに関する深い知識があること、そして研究チームと商業チームの間に協力関係が存在することです。
その結果、テクノロジーを迅速に適応させて製品販売の的を絞り、パートナーシップを充実させ、あるいはライセンス契約を効果的なものにすることができます。当社は、新しい産業や発展中の産業におけるチャンスを模索しながら、さまざまな国で複数のプロジェクトに絶えず取り組んでいます。
JAH Tech社は、さまざまな発見や技術が同時に起こると相乗効果を生み出しますが、全体が各部分の合計よりも大きくなると混乱が起こると考えています。当社では、商業部門も研究部門も、同じ志を持つパートナーを常に探しています。当社の技術とパートナーの技術を使ってさまざまな分野に飛び込み、既存の業界に新しい何かをもたらそうとしています。
レゴ社は製造プロセスを改善しコストを削減できるソリューションを2年以上探していました。その後、当社のナノ・モールディング・テクノロジーを採用して小ロットで生産される玩具をいくつか製造することができました。それ以来、レゴは一貫して当社の技術を玩具の生産に取り入れており、今後数か月はさらに多くの生産を計画しています。
美容業界では、韓国のスキンケア製造ブランドであるiBreaが非刺激性、アンチエイジング、非炎症性、抗酸素性、美白という当社のSanitatemAlphaテクノロジーに関する話を聞きつけ、自社製品で試験を行いました。有望な結果を得られた後、iBreaは当社の技術を使用してさまざまなスキンケア製品を作り出しました。
現在、当社はUnitatem PRIMIS™テクノロジーを使い、Meridiemという製造業者と協力し、微小電流を使い皮膚を引き締めて若返らせることのできるフェイシャルローラーを開発しています。このテクノロジーは抗炎症効果を持ち、スキンケア成分の吸収率を向上させます。
JAH Tech社が持つさまざまなテクノロジーについて、いくつもの業界パートナーを探しています。特に、既存のお客様のために熱心に新製品を開発している化粧品やスキンケアのブランドを探しています。
適切なパートナーさえいれば、当社の技術を使い自動車部品、玩具、家電製品などの製造業に入り込むことも目指しています。
また、様々な高等教育機関や研究機関には優れた科学的思考ができる人々が存在することも十分理解しています。当社はこれらの機関との協働環境を作り、斬新でエキサイティングなテクノロジーの発見を促したいと考えています。
JAH Tech社は、興味を持つ企業が当社に連絡し、パートナーシップ、ライセンス供与、または研究の機会について話し合うことを歓迎します。ディープテックの研究能力は必須条件ではありません。当社はさまざまな形のパートナーシップを受け入れています。
特に、問題や改善を妨げる要因を持つ業界や企業に関心があります。当社はそれらについて調べ、それらの問題のうち当社の技術により解決可能なものがあるかどうかを確認したいと思います。
JAH Tech社は、過去3年間、IPIとのパートナーシップから大きな恩恵を受けてきました。3つの異なるスピンオフが生まれ、それぞれが異なる業界とテクノロジーに焦点を当てて成長しています。当社はこのパートナーシップを通じて商業化プロセスを加速させ、実際に市場への足がかりを提供してくれる貴重なネットワークとの関係を築きました。