ヘルスケアウェアラブル機器で有用なソリューション開発...シンガポールのジョージ・ヘング氏

2022年02月08日 AsianScientist

シンガポールのSenzeHub社はオープンイノベーションを取り入れたところ、ヘルスケアウェアラブル機器の形で有用で商業的なソリューションを開発できた。

SenzeHub社のジョージ・ヘング (George Heng) CEO

AsianScientist - 世界中の多くの先進国と同様、シンガポールの市民は長い平均余命を享受できる。しかし、このような寿命の延びのため、人口統計は劇的な変化を見せている。2020年には人口の15%が65歳以上であった。しかし、2035年までにその数字は2倍の32%になると予想されている。

そのため、高齢者の世話は「サンドイッチ」世代の肩にかかってくるだろう。この世代はキャリアを追求し、子供を育てると同時に高齢の両親を支えなければならない。監視カメラのような既存のソリューションを使えば介護者は仕事中に高齢者をモニタリングできるが、高齢者のプライバシーが犠牲になる。

家族の不安を和らげつつ高齢者の自立を促進するために、SenzeHub社はリアルタイムでバイタルサインを非侵襲的にモニタリングし、必要に応じて緊急連絡を発信できるさまざまなウェアラブル機器を開発した。

SenzeHub社のCEO兼創設者であるジョージ・ヘング氏は、同社がオープンイノベーションに取り組んだ結果、革命が起こり、ヘルスケア分野において欠けていた部分を埋めることができたことを語ってくれた。

1. SenzeHub社のコア・コンピテンシー(中核となる技術)は何ですか?

当社は、心身の健康をモニタリングするマルチユーザーウェアラブル機器を大きな規模で研究し、開発しています。 ハードウェア設計、ファームウェア、ネットワークインフラ、データベース、バックエンドソフトウェア、ダッシュボードソフトウェアなどといった当社のエンドツーエンドソリューションには、知的財産のすべてが含まれています。

当社の業務は、たとえば大きな建物内やキャンパス全体などといった場所全体に、センサーを備えたIoT(モノのインターネット)システムを構築することに似ています。

当社には専門知識とスキルを持つ才能あふれる人々が集まり、ウェアラブル機器を開発しています。部品の選択から概略図の作成、専有面積、配置、ルーティング、プリント回路基板(PCB)のガーバーファイル、部品取り付け、PCB組み立て、機能試験、CADを使ったエンクロージャー設計、3D印刷、新機械設備、最終組み立て、統合までを行います。

2. SenzeHub社の歴史の中で、オープンイノベーションが正しい道であると確信したターニングポイントは何でしたか?

ビジネスとテクノロジーの両方に関連する業界のプロブレム・ステートメントに対処できる実用的なソリューションを考え出さなければならなかったとき、常識にとらわれず考えることができました。

米カリフォルニア大学バークレー校のガーウッド企業イノベーション・センターの職員長であるヘンリー・チェスブロウ (Henry Chesbrough) 氏の言葉を引用すれば、「企業がイノベーションを実現しようとする場合、オープンイノベーションは収益性の高い方法である。なぜならば、コストを削減し、市場投入までの時間を短縮し、市場での差別化を高め、企業に新しい収益の流れを生み出すことができるためである。だから、オープンイノベーションは、企業が利益を得るための大きなチャンスである」ということです。

3. 既存の製品の改善や新しい製品の開発などで、オープンイノベーションは今までSenzeHub社にどのような利益をもたらしましたか?

特定の需要を満たすために、または特定の問題を解決するためにイノベーションを起こすことで、斬新な製品を作り上げる独特のアプローチが生まれました。当社はオープンイノベーションを通じて、医療現場が抱える明確な問題に取り組みました。そのために考えたソリューションには、認識される需要だけでなく、実際の需要もあると確信しています。 実際の問題に対処することで、商品化と採用の可能性も高まると確信しています。

IPI、シンガポール企業庁、シンガポールテレコムとの協力を得て、当社はシンガポール総合病院、統合ケア庁、科学技術研究庁、サムスン、職場安全健康研究所などの他の組織ともつながっています。

これらのつながりは当社の事業を周知させるのに役立ち、当社は他の製品開発の機会を得ることができました。

4. 複雑な生態系を持つヘルステック業界を背景として、SenzeHub社内でオープンイノベーション文化をどのように奨励していますか?

ヘルステック業界のオープンイノベーションでは、解決すべき課題の限界に挑戦することがよく見られます。これを実現するにあたり、当社は技術チームと協力して新しいテクノロジーを使用する妥当な方法を見つけ、スタッフがさまざまな創造的なアイデアを模索してヘルスケア分野で新しい価値を生み出すことができるようにします。

5.ヘルスケア分野やエレクトロニクスの分野、さらに他の分野において、パートナーとオープンイノベーションに取り組む過程でどのような教訓を学びましたか?

ネットワークを構築し、より多くの人々と知り合うことが不可欠です。たとえ直接の協力関係が出来上がらなかったとしても、このようなつながりがあれば、たまたま当社のソリューションを必要としている他の人々と結びつくことができます。このようなつながりはすべて関連する問い合わせを生み出すことに役立ちます。当社はすでに問い合わせをいくつか受けており、つながりの恩恵を受けています。

6. IPIはSenzeHub社のオープンイノベーションのプロセスをどのように強化しましたか?

この場を借りて、IPIチームのコリン (Colin) 氏とクング・キアト (Kung Kiat) 氏に感謝します。 お二人にはご尽力いただき、関連する技術分野について専門家としての貴重なアドバイスを頂きました。また、お二人のおかげで試験的な最初のお客様ともつながりができました。お客様は1つの場所で多くの人々の健康状態をリアルタイムでモニタリングできる企業を探していたのです。

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