メドテック業界で新興企業の商業化を支援...シンガポールのテオ氏

AsianScientist - シンガポールのIPIイノベーション・アドバイザーであるジョン・テオ (JohnTeo) 氏は30年以上、斬新なアイデアを商業製品に変えてきた。彼は熱意をもって新興企業の商業化成功を応援している。

メドテックとも呼ばれる医療技術が出現し、進歩したことで、病気の治療に使用される医療製品は拡大し、多くの人々の命を救ってきた。早期診断による重篤な病気の転帰の改善から、入院期間やリハビリ期間の短縮まで、メドテックは人々の生活の全体的な質に大きな影響を与えてきた。

メドテック業界が人類にもたらす救命の機会と、3,800億米ドル(約52兆円)という魅力的な市場(2024年には約6,000億米ドルに急騰すると予測されている)に注目して、多くの新興企業は分け前を得ようと躍起になっている。しかし、失敗率は75%と高いため、革新的なメドテックを市場に投入することは簡単ではない。

幸いなことに、経験豊富な専門家であり、IPIイノベーション・アドバイザーであるジョン・テオ氏は、拡大するメドテック分野を強化するために、革新的な医療製品の商品化における豊富な経験を活用して、新興企業が市場の荒波を乗り越えるのに役立つことを教えてくれる。

成功に必要なことを理解する

テオ氏は研究開発、技術移転と製品移転、製造、材料、サプライチェーン、および経営管理の分野で30年に及ぶ経験を持ち、メドテック事業のあらゆる側面を理解している。テオ氏は穿刺針の設計について3つの特許を取得しているほか、Surgilance Pte Ltd(現在の企業名はMediPurpose Pte Ltd)とMedical Innovations Pte Ltd(後に別の企業による買収を受ける)という、急成長を続ける2つのメドテック企業の設立者でもある。

両社を設立した経験から、テオ氏は、すべての新興企業に勧めることのできる原則は、十分な業界ノウハウ、戦略的実行計画、相互に有益なパートナーシップ、顧客からのフィードバックであると強調する。

「他に重要なこととして、製品設計が確実に斬新性と革新性を持つことも挙げられます。医療イノベーションは、ビジネスの価値ではなく、知的財産の価値に基づいて販売されるのです」とテオ氏は指摘する。

メドテック業界には厳しい規制要件があるため、パラダイムシフトへの対応は比較的遅い傾向がある。けれどテオ氏は、人工知能やデータ解析、クラウドコンピューティングなどの新しい技術によって、この業界はさらなる高みを目指すことができると考えている。

新興企業の離陸を支援

IPIイノベーション・アドバイザーであるテオ氏は、いくつかの新興企業が新しいソリューションを商品化する際に、助言を行ってきた。一例として、Innovfusionが挙げられる。同社はシンガポールを拠点とする企業であり、女性の安全性を向上させ、陣痛中の痛みを軽減させることのできる新しい疼痛管理技術を取り扱っている。

設立間もない頃、Innovfusionは経験不足のために十分な資金を調達できなかった。テオ氏は、ビジネスや製品開発など、経営における幅広い機能的役割の経験を利用して、Innovfusionの製品の製造プロセスを合理化し、会社の戦略的パートナーを探し、国際標準化のノウハウを身につけさせた。その結果、Innovfusionは革新的な製品に全力で取り組むことが可能になり、現在の有望なメドテック企業に進化することができた。

テオ氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や他の感染症について利用可能な診断検査を専門に扱うQuikpathという企業に対し、正確で手頃な価格で使いやすい検査キットをエンドユーザーに直接提供するというアドバイスを行った。

Quikpathは、その革新的な診断技術を一般消費者向けに徹底かつ厳密に評価するために、信頼できる病院で大規模な臨床試験を行う必要があった。これは、適切な人脈がなければ難しい作業となる。しかし、テオ氏は幅広い人脈を駆使してこの難題を乗り越え、KK母子医療センターとの提携に成功し、Quikpathの研究者が臨床試験を実施できるようにした。この試験は現在も継続中である。

メドテックを超えて

テオ氏はメドテック分野で発明家とテクノプレナーとしての地位を確立している。 その鋭いビジネスセンスにより、メドテック分野だけでなく他の産業分野でも意欲的な新興企業を指導している。

「私にはメドテック業界での長い経験があるので、若い企業が直面しそうな問題を予測する能力が備わりました。この分野について私が持つ技術的知識は、複雑な問題を効率的に解決し、製品の市場投入までの時間を短縮するのに役立ちます」とテオ氏は述べる。

テオ氏や他のIPIイノベーション・アドバイザーが指導すれば、新興企業も中小企業も、製品商品化への複雑な道のりと海を乗り越えるために必要な自信と能力を得ることができる。

もしメドテック・イノベーションがあり、市場投入までの時間を短縮しようとしているなら、IPIイノベーション・アドバイザー・プログラムを訪れてみるとよい。

(2022年07月13日公開)

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