ニッチを切り開く-航空宇宙・自動車・バイオ分野の企業と協働 インドネシアBRIN

AsianScientist - インドネシア国立研究革新庁(BRIN)は、オープンイノベーションを支援し、民間企業と協力することで、市民の生活を改善する取り組みを進めている。

分野や機関を問わず、優れたイノベーションを生み出す原動力は、常に大衆への奉仕であろう。インドネシア国立研究革新庁(BRIN)は低コストの消毒UV-Cランプから、人間用・家畜用の持続可能な食品まで、いくつものソリューションを開発している。これは、政府機関と産業界のコラボレーションがさまざまなコミュニティに有益であることを示す一例となっている。

BRINは、インドネシア政府の航空、農業、鉱業などを管轄するいくつかの研究機関を統合して出来上がった。先進的なインドネシアのビジョンを実現するものであり、市民や近隣諸国は最先端の技術という支援を受けることができる。

航空宇宙研究機構の責任者であるロベルトゥス・ヘル・トリハラジャント (Robertus Heru Triharjanto) 博士は、IPIのインタビューに対し、BRINの主な特徴とBRINが持つ高度なオープンイノベーション文化について以下のように話した。

1. BRINの特徴について教えてください。

BRINは、いくつかのインドネシア政府研究機関、すなわち、国立航空宇宙研究所、インドネシア科学院、国立原子力庁、および技術評価応用庁を統合したものです。BRINには、人間科学、宇宙、技術から生物多様性、動植物に至るまで、多数の分野にまたがる他の省庁の研究機関も組み込まれています。

BRINの目的は、研究機関の資金、インフラ、および人材を組み合わせ、すべての政府研究プログラムをうまく調整することです。結果として、BRINは国の発展に必要なすべての研究を吸収しました。今後は所内で学術研究と産業研究を促進し、インドネシアの研究とイノベーションのエコシステムを育み続けることになるでしょう。

2. BRINのオープンイノベーションへの取り組みは、どのような特徴がありますか?

BRINの研究施設とイノベーション施設は、インドネシアも海外も含めた大学、民間企業、NPOの研究者に開放されています。施設の品質を維持するために、BRINの施設と専門家を利用しようとする者は使用料を支払う必要がありますが、プロジェクトが研究協働の範囲にあれば、現物と考えられるもので支払うこともできます。

サービス形態は2つあります。1つはインターネットによる登録・支払型で、簡易検査施設として使用できます。もう1つはカスタマイズされたサービスを提供する契約型です。

3. BRINとの協働で中小企業や大企業が得られるメリットについて教えてください。

たとえば、食品の中小企業はずっとBRINの研究施設を利用し続けて、乾燥、缶詰、その他食品保存工程の試験を行ってきました。BRINの担当者は、インドネシアの鉄道システムメーカーと運営会社のために、構造強度テストを実施したこともありました。

他に、自動車メーカーのために排出ガス試験を行ったこともありますし、医療業界のためにいくつかの臨床試験を実施したこともあります。たとえば、BRINの核研究施設は、核医学の物資の生産を支援しました。私たちは、インドネシアの研究とイノベーションのエコシステムを改善させることのできる提案をパートナーから受け付けています。

4. どのような企業やパートナーと協働したいと思いますか?

私たちは、BRINの研究施設と専門家を使用して製品とサービスを開発しようとする技術、航空宇宙、自動車、バイオテクノロジー分野のあらゆる企業と協力することに前向きです。また、インドネシアで研究とイノベーションのためのインフラを開発するために、投資パートナーを探しています。インフラがBRINの敷地内にある場合は、インフラを共同で運用する機会もあります。私たちとの協働に興味を持つ企業は、dit-pkiri@brin.go.idに電子メールを送ってください。

5. BRINインドネシアとIPIのパートナーシップは、どのようなものでしたか?

パートナーシップは2020年初頭にインドネシア科学院 (LIPI) と始まりました。LIPIは他の研究機関と統合され、BRINにつながりました。BRINのイノベーションはIPIのイノベーション・マーケットプレイスにアップロードされています。私たちはIPIの能力開発プログラムとTechInnovation 2021に参加しました。IPIのおかげで、BRINはシンガポールの複数の戦略的パートナーとつながることができました。

(2022年07月15日公開)

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