【AsianScientist】 新型コロナのワクチン接種後の免疫状態を評価―血清検査で安全な作業サポート

シンガポールの建設会社AcroMetaグループは、国際的なバイオテクノロジー企業であるGenScript のcPass血清検査を採用したところ、各従業員が自身のコロナリスクと予防について十分な情報に基づく決定を行えるようになった。

シンガポールでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロンの変種である BA.4 と BA.5 によって引き起こされたコロナ第5波に見舞われている間に、考えてもいなかった変種BA.2.75が発生し、さらに未知の波が押し寄せている。

状況が分からない中で、コロナとの戦いの鍵となっているのは依然としてワクチン接種である。しかしながら、現在利用可能なワクチンは最初の株のみを対象としており、新しい変種に対してはあまり効果がないかもしれない。さらに、ワクチン接種後の免疫期間についても確実なことは言えない。ワクチン接種後の免疫状態を評価するために、国際的なバイオテクノロジー企業である GenScriptは、中和抗体を検出できる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) 血清検査である cPass ™ を初めて開発した。このツールは2020 年初頭に発売され、現在、世界80カ国、アジアの26カ国(シンガポール、マレーシア、インドネシアなど)で購入できる。

「オミクロンの波の中で、cPass ™ を新しい変種に対する中和抗体を測定できるようにしました。これによって、ワクチン製造業者は、新しい変種に対する第2世代ワクチンや第3世代の汎sarbecovirusワクチンにアップグレードできます」

米デューク大学とシンガポール国立大学(NUS)が共同運営するデューク-NUS医学部(Duke-NUS Medical School)の感染症専門家で、cPass ™ の発明者であるワン・リンファ (Wang Linfa) 教授はこのように説明する。「私たちは、多くの疫学研究で cPass ™ の技術を活用して、従来の検査プラットフォームでは達成できなかった規模になりました」とも。

ラボの設計と建設を専門に行うAcroMetaグループは、cPass ™ の有効性を示す典型的な例となっている。AcroMeta の経営陣は、建設作業に際してコロナの影響を軽減するために、既存の政府の措置に加えて cPass ™ をスタッフに提供した。cPass ™ の結果から抗体レベルと潜在的な免疫力が分かるので、従業員はブースターショットについてよい判断を下すことができた。

「cPass ™ の成功を目の当たりにしました」と、シンガポールのマウント・エリザベス・ノベナ病院の感染症専門医、レオン・ホーナム (Leong Hoe Nam) 博士はこのように述べる。「患者がブースターショットについて十分な情報に基づく判断をすることができたのです。Corporate cPass ™ 検査を採用する企業はコロナの謎を解明し、効果的な職場復帰をさせることができます」

AcroMetaのCEOであるリム・セイチン (Lim Say Chin) 氏と従業員ら

検査後、AcroMeta の従業員の中和抗体レベルは実際には様々であることが分かった。cPass ™ 検査値が非常に低ければ、可能になった時点で早期のブースター ショットを選択できる。また、cPass ™ 検査の値が比較的低い従業員には、ブースター ショットを受けることができるまで自宅勤務という選択肢を与えることができた。その一方、検査値が高い従業員は、問題なく仕事を続けることができた。

「私たちは工期の遅れを緩和する武器としてcPass™を選びました。cPass ™ が2000以上の診療所で利用できることも便利であり、感動的です」

AcroMetaのCEOであるリム・セイチン (Lim Say Chin) 氏はこのように話している。

(2022年11月11日公開)