【AsianScientist】マレーシアの川をクリーンに―「水のドクター」として活躍するファテハ氏«動画あり»

マレーシア科学大学の講師であり研究者であるファテハ・モド・オマール(Fatehah Mohd Omar) 氏は、企業や地域社会と協力してマレーシアの川をきれいに保つ方法を語る。(2023年5月10日公開)

ファテハ・モド・オマール氏 は、マレーシアの産業・農業汚染物質で病気になった川を治療している。彼女は好んで自分自身を「水のお医者さん」と呼ぶ。マレーシア科学大学の環境工学の講師であり研究者であるファテハ氏は、主にペナン地域のさまざまな製造業企業と力を合わせ、産業排水の処理を行ってきた。ファテハ氏は「この地域には様々な企業がとても密集しています」とAsian Scientist Magazine誌に語った。

ファテハ氏は、この地域の企業との多くの交流を通じて知ったことがある。一部の企業は依然として従来の方法を使用して廃水を処理しており、そのため、最適な水処理は行われていない。たとえば、企業が廃水を処理するにあたり、一般的には安価なポリ塩化アルミニウム (PCL) という化学凝固剤を使用する。しかし、PCL の主な化合物である硫酸アルミニウムが問題となっている。

ファテハ氏は「多くの研究から、飲料水に硫酸アルミニウムの残留物があれば、長期的にはアルツハイマー病や認知症につながる可能性があると分かっています」 と語る。ファテハ氏は、そのリスクに対抗するために、産業が自然で環境に優しい凝固剤を使用して廃水をきれいにすることを提案している。

ファテハ氏が語るところによると、産業廃水には大量の重金属が含まれている場合があり、処理施設では除去できない。最終的には汚泥となるが、汚泥は衛生的に埋立処分できないため、一部の業者は自社の裏庭に廃棄することになる。 雨が降ると、重金属を含む汚泥が土壌から浸透し、帯水層を汚染する可能性がある。

製造業者がこのような問題を効率的に解決するのを助けようと、ファテハ氏は大学にナノ粒子研究室を設置した。2016 年にロレアル-ユネスコ女性科学賞 を受賞したファテハ 氏は、「この研究室をとても気に入っています。この場所は、私を研究に集中させてくれます」と語る。ファテハ氏はこの研究室で学ぶ大学院の学生と共に、養殖廃水、下水廃水、パーム油工場廃液、半導体廃液の研究を行っている。

ファテハ 氏は業者とのコラボレーションについて、「ウィンウィンの状況です。私たちは彼らの問題解決のお手伝いをしています。製造業者の施設にアクセスできるので、比較的多くの調査を実施し、問題をうまく理解することができます」と話す。

製造業だけではない。ファテハ氏は、積極的に地域社会への協力を行い、農業、漁業、地元観光などの仕事で使う水源の浄化を助けている。 キャリアを通じて多くの研究助成金を受け取ってきたファテハ氏は「私たちは一緒に研究し、互いに学び合っています」と述べる。

地域社会や大企業からの援助を受けて、ファテハ氏は、マレーシアの人々がきれいな飲料水を利用するという使命が進んでいることを実感している。

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