【調査報告書】『シンガポールの科学技術人材育成・確保に関する調査(追補版):シンガポール国立大学と南洋理工大学、躍進の原動力』

2024年2月2日 JSTアジア・太平洋総合研究センター

科学技術振興機構(JST)アジア・太平洋総合研究センターでは、調査報告書『シンガポールの科学技術人材育成・確保に関する調査(追補版):シンガポール国立大学と南洋理工大学、躍進の原動力』を公開しました。
以下よりダウンロードいただけますので、ご覧ください。
https://spap.jst.go.jp/investigation/report_2022.html#fy22_rr02

サマリー

シンガポールは多くの指標で同国以外の先進国と同等以上の科学技術力を示し、シンガポール国立大学(NUS)と南洋理工大学(NTU)はアジア・太平洋のトップ校へと台頭している。本調査では人材育成・確保の観点から、両大学の躍進の理由、および中期計画の背景と狙いを明らかにすべく、政策当局の見解と研究現場の受け止めを聞くインタビューを行った。その結果、シンガポールの国を挙げた大胆かつ計画的な取組がその背景にあることが明らかになった。20世紀末に政府が両大学を研究中心へと改革する方針を示し、中期計画で予算を確保して着実に配分し、その実行を促した。また中期計画で戦略重点分野を指定し、外国トップ人材を招聘して研究開発力の急速な底上げを図った。今後は自律的・持続的な研究開発力の向上という観点から、国内人材の育成・確保も重視する方向を見せている。外国人研究者の極めて高い割合等に見られるような、他国に類を見ない豊かな国際性は、日本の研究環境に著しく欠けており、シンガポールの事例は示唆に富むと考えられる。

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