ナノテクノロジーの先駆者、ジャッキー・イン(Jackie Ying)教授がシンガポールでの研究実績が認められ、栄誉ある全米技術アカデミー(NAE)のメンバーに選出された。
Asian Scientist -シンガポール人がNAEのメンバーに選出されるのは、ジャッキー・イン 教授 が 初めてだという。
選考では、 人の健康増進を目的とした ナノ構造物質、ナノ医療と診断機器の インターフェース 研究における貢献が評価された。2021 年10 月3 日、NAEの年次会議で正式に新メンバーに加わる 。特筆 すべきは、米国以外を拠点とする新メンバーはわずか2人 であり、そのうちの 1 人がイン教授であるということだ。 NAEへの 選出 は、技術者 にとって最高の栄誉の1 つとされている。
イン教授は シンガポール科学技術研究庁 (A*STAR)のナノバイオラボを統括し、同 生体工学•ナノテクノロジー研究所所長を務めた。論文発表は350 本を超え、引用数は3 万件 、特許数は190 件に達する。こうした 業績から 、 イン教授 は、ナノ医療、ドラッグデリバリー(薬物送達)、医療機器の分野で最も 高い実績がある 研究者の1人と言えるだろう 。
NAE会員には 、技術 研究に優れた貢献をし、新しい技術を開発した研究者らが選ばれるが、イン教授もそれに ふさわしい実績をもつ。 NAE会員として、イン教授 は米国政策に重要となる技術的課題について、NAEだけでなく、全米 科学アカデミー、 医学アカデミーのワークショップなどに 参加することになる 。
NAEへの選出によって 、イン教授 がこれまでの キャリア に新たな栄誉が加わる 。2001 年、当時35 歳で 最年少の正教授の1 人として米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)に 迎えられ、話題になった。その後、 05 年に 最年少の会員としてドイツ国立科学アカデミー 、15 年に米国 科学振興協会、17 年に 全米 発明家 アカデミー、19 年に トルコ科学アカデミーのメンバーにそれぞれ 選出された 。
「NAEのメンバーに 選出されたことは とても光栄です 。私は創造的で熱意のある研究者、学生、協力者たちに恵まれて幸運でした 。私たち が開発した 最新技術 が実用 化され、さらに インパクトが 高まることを 期待しています 」とイン教授は 話している 。