2021年04月
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ベトナムの科学者らを表彰 「タ・クァン・ブー賞」創設7年の軌跡

ベトナム科学技術開発財団(NAFOSTED)は3月31日、今年で創設から8年目を迎える、同国の科学技術研究者らを表彰するタ・クァン・ブー(Ta Quang Buu)賞について詳しく紹介した。

それによると、この賞は同国の著名な科学者で元国防大臣のタ・クァン・ブー氏(1910-1986)の功績をたたえ、その名を冠したものだ。ベトナムで行われた研究で、一流の国際ジャーナルに掲載された科学技術分野の研究者らが対象。毎年、最大で3人の科学者(主賞)と1人の若い科学者(若手研究者賞)に授与されてきた。

これまでの7年を振り返ると、初年の2014年は、国際的な出版物が多く数学と物理学の分野で豊富な経験を持つ2人の科学者に授与された。15年には、情報とコンピュータサイエンス、地球科学と環境の分野に賞が拡大され、数学の分野において初めて若手科学者賞が授与された。その後、化学、農学分野から受賞者が出て、19年には医学、工学、技術開発の分野に拡大。同年、女性科学者が初めて表彰され、2020年にも女性科学者が受賞した。

この7年で合計300件余りの応募があり、主賞は16人、若手研究者賞は4人が受賞した。計20人の受賞者の年齢は37〜64歳で、男性18人、女性2人。受賞者の出身地域は北部14人、中部2人、南部4人だった。対象は、純粋な理論的研究だけでなく、応用研究にまで広がった。

賞金は、主賞に2億ドン(約100万円)、若手研究者賞に5000万ドン。賞の原資は原則、社会からの募金や大手企業の寄付でまかなわれている。ただ、スタートした当初は、大臣経験者らが寄付して賞を支えた。選考はまず専門家らによって絞り込まれ、最終的に国際的に有名な国内の科学者らで構成されるアワード・カウンシルによって決定される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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