2021年04月
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"フルーツの王様"の殻が抗菌絆創膏に シンガポールで開発

シンガポール南洋理工大学(NTU)は3月25日、同大学の科学者らがフルーツの王様として知られるドリアンの殻を使用して抗菌性のゲル絆創膏を作ったことを発表した。米国化学会の関連ジャーナルに論文が掲載された。

それによると、ドリアンの殻から高品質のセルロースを抽出し、それをバイオディーゼルおよび石鹸産業からの廃棄副産物であるグリセロールと組み合わせることによって、シリコンシートに似た柔らかいゲルを作成した。これは、さまざまな形状やサイズの絆創膏にカットできるという。さらに、天然酵母フェノールとして知られるパン酵母から生成された有機分子を追加し、殺菌効果を非常に高いものにした。

ゲルは氷点下でも機能し、酵母からの天然抗菌化合物を含んでいる。従来のハイドロパッチは銀や銅イオンなどの金属化合物を抗菌材料として使用しているが、この天然廃棄物から作られたものの方がはるかに安価だ。

有機ゲル絆創膏は無毒で生分解性であるため、従来の合成絆創膏よりも環境負荷が小さいと予想される。この研究には2年を要した。研究チームは現在、抗菌ジェル絆創膏を上市するための産業パートナーを探している。

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