2021年05月
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フィリピン2基目の立方体衛星MAYA-2の打ち上げに成功

フィリピン科学技術省によると、同国の立方体衛星MAYA-2(マヤ・ツー)が2021年2月21日、パラグアイのGuaraniSat-1(ガラニサット・ワン)、日本のTsuru(ツル)とともに国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられた。フィリピンにとって2基目の立方体衛星となり、この日は同国の宇宙科学史に刻まれることになる。MAYA-2は3月14日、軌道に放出された。

(左から)日本のTsuru、パラグアイのGuaraniSat-1、そしてフィリピンのMAYA-2。写真提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

MAYA-2の開発は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や日本の九州工業大学などが推進するBIRDS-4衛星プロジェクトの一環で、フィリピン人エンジニアらが開発した。重さは1.3キロで、画像と録画用カメラ、活動姿勢の安定と実演操作のための姿勢決定制御装置、ペロブスカイト太陽電池、ラッチアップ検出チップ、位置情報発信システム(APRSデジピーター)を搭載する。

衛星には市販の部品を使用している。宇宙空間における適正な機能を検証し、BIRDS-4で集められた情報は将来の宇宙計画における既成部品使用の基礎となるであろう。また蓄積交換式の計器類も搭載し、接地センサーから集められた情報は、気象や伝染病分析といったより実用的なことに応用できる。

フィリピンは現在、科学技術省が中心となり宇宙開発プログラムを積極的に進めている。MAYA-2のほかに、2基の衛星MAYA-3とMAYA-4が今年中に放出されることも明らかにされた。衛星技術力を農業、森林被覆、天然資源の開発、気象予報、災害査定と探知といった目的に利用するための取り組みを、今後これらの宇宙開発プロジェクトによって一層強化するとみられている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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