2021年05月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2021年05月

コロナ禍でなぜオンラインにはまるのか シンガポールで住民調査

シンガポールではコロナ禍で、「ワッツアップ」(WhatsApp)などのオンラインメッセージングやSNSの利用が急増していることが調査によって明らかになった。研究者らはその背景にも迫った。

Asian Scientist - 最近SNSをより頻繁に利用していないだろうか? それはあなた1人に限った現象ではない。研究者らによると、コロナ禍でシンガポールではSNSやコミュニケーションアプリの利用が急上昇しているという。

パンデミック後の世界でも、ズーム(Zoom)が普及しテレワークが奨励されることが予想される中で、友人、家族、同僚同士が必死につながろうとしてSNSの利用が急増したのも驚きではない。

 

2020年12月、1,606人のシンガポール居住者をシンガポール南洋理工大学(NTU)のチームが調査し、このご時世でのコミュニケーション習慣と、その変化要因について調べた。

 

プライバシーの懸念にも関わらず、コロナ禍のシンガポールにおいて対話アプリ「ワッツアップ」(WhatsApp)の利用頻度が上がったとシンガポール居住者の4人中3人(75%)が回答。このほか、利用頻度が上がったアプリなどについて、テレグラム(Telegram)60.3%、フェイスブック(Facebook)60.2%、インスタグラム(Instagram)59.7%-と続いた。

 

同様に、パンデミックでビデオ会議も急増し、86%がこのようなツールの利用頻度が上がったと回答。しかし、絶えないビデオコールやウェビナーには代償も伴う。それは疲労感だ。シンガポール居住者の約2人に1人(44%)がビデオ会議を利用した活動で疲労を感じていると述べた。

研究者らによると、オンラインメッセージングやコミュニケーションツールの利用増加の要因は、限られた人との接触による孤独さによって引き起こされているかもしれないという。回答者の間では、35%は時々親交がないように感じ、また32%がたまに孤立しているように感じると述べた。

コロナ禍におけるメンタルヘルスへの影響は、医療従事者や一般市民へのコロナ禍の負担を対象とした中国や日本の研究でも言及されている。

「(コロナ禍の社会的行動への長期的な影響は)把握しておきたいことだ。このまま気候変化や生物多様性損失を起こすような行動を続けると、新たなパンデミックが生じかねないと専門家が忠告していることを考慮するとなおさらのことだ。コロナによる長期行動変容を記録することは施策や産業にも影響を与えるだろう」と、NTUのエドソン・タンドック(Edson Tandoc)准教授は話している。