2021年05月
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パンデミック後の経済成長促進目指す シンガポール次期5カ年計画(RIE)公表

シンガポール首相官邸の発表によると、同国のヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相(兼経済政策調整相、財務相)はこのほど、今後5年間(2021~25年)の「研究・イノベーション・エンタープライズ(RIE)」の計画概要について明らかにした。

研究・イノベーション・エンタープライズ(RIE)の計画概要についての記者会見。 提供:シンガポール情報通信省

それによると、本計画は次の3つの重点項目からなる。

  1. ① 基礎研究へ注力し、幅広い科学力を継続的に生み出す。
  2. ② パンデミック後の経済成長を促進し、国家のニーズに対応するためのRIEの範囲を拡大する。
  3. ③ 技術移転を拡大し、企業のイノベーション能力を強化する。

同副首相によると、予算的には今後5年間で計250億シンガポール・ドル(約2兆円)を当てる予定。これはシンガポールの国内総生産(GDP)の1%相当を毎年、RIEに投資する計算となる。

具体的には、RIE予算全体の3分の1を投入して研究助成金を増強して次世代の科学者や研究者の成長を増進▽健康・生命医学、都市・持続可能性、先端製造技術、スマート・デジタル経済の4つの分野においてRIEの範囲の拡大▽地元企業へのサポートの強化によりイノベーションをサポートする新規技術移転プラットフォームの確立―などが盛り込まれた。

とりわけ、RIE範囲の拡大については、「健康・生命医学」分野から、福祉や学習の機会への投資により、「人間の健康と可能性」分野として拡張させる。また、「都市問題解決と持続性」分野を適切に統合させ、二酸化炭素排出量や食糧の問題解決、生物多様性の保護など持続可能性をより幅広く追求する方向へ拡大する。

また、先端製造技術分野では、より高度な技術による持続可能な製造とそのサプライチェーンの国境を超えた接続性の強化を行う。スマートネイションとデジタル経済分野では、生み出される価値を最大化するテクノロジーとガバナンスの統合を行うことが表明された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部