2021年06月
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食品安全研究を推進する「FRESH」立ち上げ シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)、食品庁(SFA)および科学技術研究庁(A * 150STAR)は合同で4月27日、フューチャー・レディ・フード・セーフティ・ハブ(Future Ready Food Safety Hub、略称FRESH)を正式に立ち上げたことを発表した。

FRESHは、シンガポール・フードストーリー(SFS)研究開発プログラムの下、食品の安全に関する研究を推進するために設立された。成長めざましいシンガポールの食品イノベーション・エコシステムをサポートするために、食品安全科学において同国における人材育成を支援することも担うとしている。

SFAは、食品業界と緊密に協力して新しい食品の開発に取り組むとともに、食品の安全性に関する知識等の流通も促進し、2030年までにシンガポールの栄養ニーズの30%を現地で生産するという「30×30」計画の目標達成をサポートしていくという。

FRESHは、シンガポールの「研究、イノベーション、エンタープライズ2020(Research、Innovation and Enterprise、略称RIE2020)」計画に基づいて構築された。最大1億4,400万シンガポールドル(約115億円)の資金が、同国の食品業界のイノベーションを推進するためのシンガポール・フードストーリー研究開発プログラムに投入された。この計画は、持続可能な都市の食品生産、将来の食品、高度なバイオテクノロジーベースのタンパク質生産、および食品安全科学とイノベーションに焦点を当てている。

人材育成は、シンガポールの持続可能な食料安全保障の鍵であり、FRESHは機関や分野を超えたコラボレーションのプラットフォームとして、新しい食品安全サポートを提供し、シンガポール・フードストーリーの下での既存の取り組みを補完する。

また、食品科学、微生物学、化学、毒物学、工学、通信科学を含む複数の分野を橋渡しし、政府、アカデミア、産業界のステークホルダーと協力して、独自の産学官研究開発プラットフォームを構築する。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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