2021年06月
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二酸化炭素を高付加価値な化合物に変換 タイ・カセサート大学

タイのカセサート大学の研究チームは、工業製品の製造プロセスで発生する二酸化炭素(CO2)をメタノール、ジメチルエーテル、オレフィン(アルケン)など、高付加価値な化学物質に変換するための触媒の研究開発に取り組んでいる。

研究チームは同大学工学部トンタイ・ ウィトゥーン(Thongthai Vitoon)准教授によって率いられている。オレフィンはポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)など、プラスチック製品の原材料となる化合物。オレフィン製品は通常、石油、石炭、天然ガスといった化石燃料から作られるが、化石燃料の資源枯渇への懸念と、それに伴う値段の高騰、そして環境への影響などがネックとなっている。

研究チームは、これまでに報告されている中で最も高い最大21%の触媒反応の収率(収量の理論収量に対する比率)を得ることに成功。チームはさらに高収率な触媒の研究開発を進めている。

ウィトゥーン准教授は、タイ学術研究会議(The National Research Council of Thailand:NRCT)が主催する2021年全国研究賞にて、「工学分野優秀研究賞」を受賞した。同会議の理事 ウィパラット・デオン(Wipharat De-Ong)博士は「この研究は学術的のみならず、経済、社会、コミュニティ、そして政策的にも極めて価値のあるものだ」と評価している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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