ハンバーガー愛好家に朗報!環境への負荷が肉類よりも少ないにもかかわらず、タンパク質が豊富な微細藻類を使った世界初のハンバーガーパテが登場した。
AsianScientist - ハンバーガーを牛肉で作る時代は終わった。植物由来の食べ物を中心とした食事法を実践している人にとってありがたいことに、マッシュルームや緑豆のハンバーガーに続いて、微細藻類で作られた世界初のハンバーガーが登場した。
スピルリナのスムージーや海苔のような形態もあるが、海藻類はその独特のうま味と栄養価の高さから古くから人類に愛されてきた。注目すべきは海藻だけではなく、微細な藻類である微細藻類も美味とされている。
肉眼では見えない微細藻類は、食物連鎖のソースとして世界のバイオマスで70%以上を占めている。微細藻類には鶏卵と同じ量のタンパク質のほか、すべての必須アミノ酸など栄養素がぎっしり詰まっている。
シンガポールの食品テクノロジー企業、ソフィーズ・バイオニュートリエンツ(Sophie's Bionutrients)社の共同設立者兼CEOであるユージン・ワン(Eugene Wang)氏は、牛肉のような食肉加工品のカーボンフットプリントが異常に高いことから、食肉からの代替品として環境に優しい微細藻類に注目した。クロレラをはじめとする、さまざまな種類の微細藻類をバイオリアクターで発酵させ、タンパク質を豊富に含み混じりけのない粉末を抽出した。
まるで本物の肉のよう。ソフィーズ・バイオニュートリエンツのハンバーガーのパテには健康食品として人気の高いクロレラをはじめ、さまざまな種類の微細藻類が使用されている。
ソフィーズ・バイオニュートリエンツ社のパテは1枚あたり25グラムのタンパク質が含まれており、市販の植物由来食品よりもタンパク質の含有量が高い。しかも、牛肉や魚の約2倍のタンパク質となるが、環境への負荷はわずかである。
多くの人の大好物であるハンバーガーが、このパテに完全に取って代わるかどうかは現段階では不明だとして、同社のこの画期的な製品は、代替肉や持続可能な食料生産システムの人気の高さを示している。気候変動の影響が顕在化する中、このようなシステムを導入することは、将来的な食糧安全保障の確保につながるはずである。
「微細藻類は海の重要な栄養源であり、このバーガーを開発することで、植物由来の水産物を作るだけではなく、微細藻類のタンパク質粉の多様性をアピールできれば。自然の力とテクノロジーの相乗効果で、植物由来の製品の幅を広げるとともに、環境にも貢献していきたい」とワン氏は語る。