2021年06月
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新型コロナ対応、院内の輸送用ロボットシステム導入 ベトナム・第2バックマイ病院

ベトナム科学技術省(MOST)の発表によると、同国のハナム省フーリー市にある第2バックマイ病院が5月中旬から、新型コロナウイルス感染症患者の隔離エリアで最新の輸送用ロボットシステム「Vibot-2」の導入を始めた。

医療スタッフに代わるVibot-2は、新型コロナのパンデミックに対処するため、科学技術省が国防省所管の軍事技術アカデミーに依頼して開発された、国家レベルの製品だ。

Vibot-2は、監視・制御センターと5台のロボットからなり、人間の代わりにロボットが食品、医薬品、必需品などを隔離エリア外からエリア内の患者に提供する。ロボットの通信機能を通じて、隔離エリア外の人(医者、看護師、家族ら)がエリア内の患者と、高品質の画像・音声で話すことができる。センターは、技術状況の監視、食品・医療品の配送プログラムの設定のほか、ロボットによるごみ収集の制御も行う。

Vibot-2は、設定された作業領域マップに従って移動するだけでなく、障害物を検出した場合はセンターのサポートなしで停止または回避できる能力も備えている。また、同じフロアで同じタスクを実行するときなど、ロボット間で調整できる機能も含まれている。

Vibot-2のロボット

ボットに患者用の食事を積んでいる場面

写真提供:ベトナム科学技術省(MOST)

監視ソフトウェア、システム制御、センターからの通信に加えて、コントロールデバイス(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)からもロボットを監視・制御できる。さらに、ロボットの画面にタッチして直接、制御することも可能だ。

軍事技術アカデミーの副所長であるグエン・ラク・ホン氏によると、Vibot-2は2021年4月末に、ハノイ市にある108中央軍病院で試験運行を行い、その後、第2バックマイ病院に配置された。ホン氏は「これから病院ではロボットの仕事がどんどん拡大するでしょう」と期待を表明した。

バックマイ病院はハノイ市にある国内最大の総合病院であり、2019年3月からハナム省フーリー市に第2バックマイ病院が開業した。

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